okamehachimoku review

大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『沓掛時次郎』恋川純弥座長襲名10周年誕生日公演昼の部

お芝居は『沓掛時次郎』でした。純弥さんが時次郎、二代目が時次郎に切られる男の役、桃ちゃんがその男の妻という配役でした。純弥さんが子供を見る目って、ほんとうに優しいのです。彼のお人柄がよくでているお芝居でした。

去年は誕生日公演はパスしたので、初めての参加です。新開地は席の予約ができないので、去年は徹夜!で並んだ人がいたらしく、今年は後援会に優先的にチケット配布ということになったようです。人ごみが嫌いなので、行く気がなかったのに、人に頼まれて(二人まで申し込めたので)、取りました。でもその方に感謝しなくては!今までの観たどのショウよりもすごかった!! 踊りはすべて新しいもの、衣裳も新しい、舞台装置(中でも照明はライブコンサート並みの懲り方でした)、なにもかもが初めてのもので、その中で純弥さん、燦然ときらめくお星さまのようでした。

本職のダンサーも加わり、一層豪華さを引き立てました。ここ、完ぺき主義者の純弥さんらしいですね。中途半端なダンスなら、プロに任せるということなんでしょう。スーパー兄弟のところではプロのダンサーから全員がレッスンを受けたらしいのですが、それもありでしょうね。

白い布が照明と組み合わされ、神秘的な雰囲気をかもし出していました。最初のステージ、『ルパン3世』の曲に合わせて、座長を中心に黒いスーツ姿の二代目、真弥さん、風馬クンが登場、これどこの舞台?っていう斬新さでした。フリも完璧にそろっていて、ドンだけ時間かけて練習したの、というくらいでした。構成もこりにこっていました。曲構成も新旧バランスよく、それぞれの踊り手に合ったものがふられ、群舞も今までの恋川とは一味ちがったスパイスのうーんと効いた切れのいいものでした。

純弥さん、二代目の三味線演奏も以前聴いたのものより、なにか内面の深みを表現するもの、激しさの中にある種のかげりを表すものでした。

眞子さんがおてもやんメイクでコント風の踊りを純加さん、かれんさん、新人さんたちと演じてくれました。楽しいショウで、お客さん大喜びでした。

白峰さんは、「今日はなぜか踊りも唄もやらせてもらえます」とおっしゃって、ほんとに久々にお唄も聴くことができました。おもしろさ5倍ってくらいで、陰ながら純弥さんを強力にサポートされているさまが伺えました。とはいえ、「純弥のあとには一杯(後継する人が)控えています」なんて、ちょっとイジワル?なコメントをしたりして、笑いをとっておられました。それと、「座長襲名した初めの2,3年はいやだ、いやだとぬかしていたのに、今や好き放題やってます」とおっしゃって、純弥さんのことをけなしながら実は誇らしく思っておられるの、よく分かりました。このお父さんの賢明さは特筆ものです。

純弥さん、二代目の相舞踊は『おさん茂平』で、これは大真面目に踊られ、いつものお定まりの階段での競争はありませんでした

ずいぶんと時間がつんでいたようで、ケーキでのお祝は短かく、さっとすまされました。

最後のショウ、斬新でノリノリだった。黒いスーツで全員が登場すると、照明がここぞとばかりにあてられます。最後に花火が舞台の前方から一斉に噴出し、圧巻でした。

でも何よりもすごかったのが、純弥さんのスケスケ・ルックの踊りでした。他劇団でみたことはあるけれど、純弥さんでは初めて!ステキでした。

純弥さん、ありがとう!