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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

喜劇

『友情断片録』たつみ演劇BOX ダイヤデー@朝日劇場5月15日夜の部

この演目、私の大好物。今までに4度見ている。最初に見たものをリンクしておく。 www.yoshiepen.net ほぼこのまま。違っているのは配役。いつもはたつみさんがやる五郎をダイヤさん、いつもはダイヤさんがやる義彦を瞳太郎さんだった。あとは同じ。ダイヤさ…

『富くじ千両箱』劇団花吹雪(碧月心哉さんゲスト)@新開地劇場9月21日昼の部

お芝居は初めてのもの。コメディ。構成がきっちりしていた。その上、笑いに無理がなかった。いかにも上方喜劇。『道中夢枕』などとの共通点を強く感じた。 内容は他愛ないもの。以下が大まかな筋。 旅の途中、富くじで当たった千両を狙われた末、殺された商…

『べらんめえ槍道中』浪花劇団@高槻千鳥劇場 2015年6月21日昼の部

この芝居は近江劇団系列のものなんだろうか。飛龍劇団の芝居との質の近さを感じた。もとの脚本(ホン)があるんだろう。構成がかっちりしている。複雑なのに起承転結に無理がない。ベースは人情劇。そこに笑いの要素が多分に入っている。『へちまの花』など…

『裏町情話』都若丸劇団@朝日劇場 6月4日昼の部

種本は藤山寛美さんのものだそう。筋立てがきわめて入り組んでいる。隠したお金50両をめぐるドタバタ劇という点では『お祭り提灯』を思わせるけど、込み入り方、凝り方はそれ以上。 舞台装置、プロップはまるで大劇場にいるような完成度の高さ。さすが朝日劇…

『晴れ姿千両役者』都若丸劇団@京橋羅い舞座 3月21日昼の部

中村菊之丞(剛)さんを苛める紀伊国屋を去年11月の明生座での公演時と同じくあきらさんが演じた。 上方(浪速)ではすでに人気役者としての地位を築いていた菊之丞、父の遺言に従って、江戸でも役者として花を咲かせようとしていた。ただ、当時のこと、現代…

『火の車』都若丸劇団 with 小泉たつみ座長&葵好太郎座長(ゲスト)@羅い舞座京橋 3月16日昼の部

『火の車』は以前に2回観ている。ただ配役に入れ替えが。若丸座長が死神というのは同じ。でももう一人の主役、善兵衛の息子の善吉をいつもなら剛さんが演るところ、この日はゲストのたつみ座長が。剛さんは子分役に回っておられた。死神と善吉との掛け合いが…

『上方土産』都若丸劇団@南淡路ロイヤルホテル 2月20日昼の部

初めて観るお芝居。以下がおおまかな筋。 亭主の留守中に贔屓の役者(舞斗)を家に引き込んだ女房(ゆかり)。そこに寄合いに出かけ、一晩帰らないはずだった亭主(若丸)が、不意に帰ってくる。慌てる女房、役者を押入れに隠す。亭主をなんとか口実をつけて…

『大工の一日』都若丸劇団千秋楽@花園会館 1月26日

以前にも観ている。 ちょっと足らない大工の見習いのトメ(若丸)と、その親方の棟梁(城太郎)を軸に芝居が回る。そこに傘を借りに来たり、ネコを借りに来たり、あるいは屋根の修繕のやり直しを頼みに来たりする近所の人たちが絡む。棟梁から聞いている「断…

『二人の風来坊』都若丸劇団@花園会館 1月24日(土)昼の部

『二人の風来坊』は以前に3回観ている。配役は以下。 時雨の半二 若丸 流星のお銀 ゆかり(これは一緒) 御嶽の熊五郎親分 城太郎 柿の木長者の若旦那 剛 茶店水月姉娘 ひかる 妹娘 蘭香 あとの男性陣は熊五郎親分の子分役。東映の谷口さんも子分に参加。柿…

『下田港の暴れん坊』都若丸劇団@花園会館 1月18日昼の部

去年の7月にも観たお芝居。 ごく最近気づいたこと。それはお芝居の中のアドリブすら、計算されて配置されているという衝撃の事実。もちろん、多少の入れ替えはあるし、当意即妙のものもある。でもかなりの部分が計算済み。これは、ホント衝撃だった。このお…

『晴れ姿千両役者』都若丸劇団@花園会館 1月15日昼の部

以前になんども見ている。一番最近の舞台(2014年11月)では、役者紀伊国屋をアキラさんが演り、イジリの部分がちょっと違っていた。 あらましはほとんど変わらず。以前に書いていなかった面白い箇所がいくつもあった。全部は無理なので、ほんの数例。 1)…

『涙の江戸見物』都若丸劇団@花園会館 1月13日昼の部

去年三吉演芸場でも観たお芝居。そのときのレポ中にお芝居のプロットをまったく書いていなかったので、(改めて?)アップする。去年と同様、葵好太郎座長を迎えてのものだった。 岩五郎(好太郎)は腕もよく、人格者で通っている大工の棟梁。その女房のおと…

『大工の一日』都若丸劇団@明生座 11月18日夜の部

お芝居『大工の一日』は2011年4月の新開地公演の折に観ただけで、今回が二回目。そのときには英国人の知り合いと一緒だったのだけど、彼は大工のトメとその後の舞踊ショーの美しい女形(座長)が同一人物だと分からなくて、説明するのが大変だった。「もう一…

『風の九太郎』都若丸劇団@明生座 11月6日夜の部

このお芝居の主人公、九太郎は大衆演劇定番の任侠ものの、いわゆる「かっこいい」主人公ではありません。ドジで間抜けなやくざ、でもそのドジさがなんとも人間的でカワイイ、そんな男です。そういうアンチ・ヒーローを若丸さんは好んで演じます。どこを切っ…

『鼠小僧と白鷺銀次』たつみ演劇BOX@京橋羅い舞座 2014年9月25日夜の部

お芝居は『鼠小僧と白鷺銀次』で、予定表にリストされていた『武士道残酷物語』を変更しての喜劇だった。たつみ座長の口上では、重い芝居が続いているので、「お笑い系」に差し替えたとのことだった。 この『鼠小僧と白鷺銀次』、2009年2月に朝日劇場に乗っ…

『下田港の暴れん坊』都若丸劇団@梅田呉服座 7月29日昼の部

あらすじは以下。 第一場 舞台は江戸。美人で評判の芸者千代丸(ひかる)には長吉(剛)という相思相愛の男がいて、彼と一緒になりたいと願っていた。芸者置屋、一文字屋の女将のおさい(ゆかり)も二人を応援していた。そこに横やりを入れたのが山形屋の親…

『万吉涙唄』都若丸劇団@梅田呉服座 7月22日昼の部

以前にも一度みているのだが、記事にしていなかった。タイトルでは思いだせなかったけど、幕が開いた途端あれだと分かった。というのも若丸劇団ではめずらしい現代劇だったから。 すぐに藤山寛美作だろうと見当はついた。ネットで検索すると、このお芝居、藤…

『火の車』都若丸劇団@梅田呉服座 7月20日昼の部

劇場に行って驚いた。人、人、人!席を予約していなかったので、開演20分前に行ったのだけれど補助席。通路の補助席だったけど、呉服座は客席が階段状になっている上に補助椅子が座席より高いので、見やすさ120パーセント。舞台、客席全体を俯瞰できて、大満…

『五条のたてひき』都若丸劇団@梅田呉服座 7月21日夜の部

このお芝居、以前に2回ばかりみているのに、記事にしていなかった。大筋は以下。 神社の境内。三下の亀吉(ゆかり)が息巻いている。若い娘たちが通りかかるが、「亀ちゃん、親分は?」と、この三下には興味がない様子。そこへ派手な紅の着物姿の好い男が登…

『晴れ姿千両役者』都若丸劇団@梅田呉服座 7月18日昼の部

以前に一度観て、よくできた芝居だと感心したもの。若丸さんのことだから時代考証もパーフェクトなんだろう。そういえば先月朝日劇場でお目にかかった若丸ファン歴11年とおっしゃる男性はその点をとくに褒めておられた。私はその辺りが疎いので、あらためて…

『三下剣法』都若丸劇団@梅田呉服座 7月15日昼の部

昼でトリプルの大入り。満員。補助席も満席。 お芝居は『三下剣法』で、4回目になるのに、このブログ記事にしたのはずっと以前の一回のみ。それもあらすじを書いていなかった。というわけで、おおまかな筋を以下に残しておく。固有名詞は控えていなかったの…

『俺たちゃ渡り鳥だよ』都若丸劇団@梅田呉服座2014年7月4日夜の部

新開地劇場でもみた喜劇だった。話の大筋はそのときのままだけれど、そこは若丸さん、細部が微妙に替えられていた。 旅人二人(若丸・剛)が「相部屋」になって、これから休もうという時に、前に観た折には『泥棒道中』を思わせる「予感」があって、「お芝居…

『風来坊と巾着切り』都若丸劇団 6月25日夜の部

初見のお芝居。大衆演劇によくある「悪い親分を懲らしめる」パターンの完全なパロディ。ホント、よくできていた。要約すると、「茶店の老主人(剛)とその娘を助けるために、ヤクザ一家に乗り込んだ時雨の半二(若丸)の助っ人顛末記」ということになるだろ…

『姿なき仇討ち』都若丸劇団@朝日劇場 6月13日昼の部

今日は豪華なゲストが勢揃いした。劇団舞姫葵好太郎座長、劇団九州男大川良太郎座長、それにたつみ演劇BOXから嵐山瞳太郎さんと三人のゲスト。 朝日劇場に到着して驚いた。ものすごい人。休憩時間にさらに驚いた。入り口をつぶしての見物の人がけっこういた…

四回目の『泥棒道中』 in「若丸祭り」都若丸劇団@新開地劇場4月24日昼の部

ものすごい人で、二階席も一杯だったよう。私は20分前に着いたのだが、補助席のみ。でも新開地劇場の補助席は楽で、問題なし。昨日とは打って変って、にぎやかだった。300人以上だったよう。不完全燃焼だった昨日を補ってあまりある充実した舞台だった!多く…

『春雨傘』都若丸劇団@新開地劇場 4月19日夜の部

先月、羅い舞座京橋でも観たお芝居だった。他劇団でも観たことがある「嫁いびりの姑が改悛する」話。ところが、若丸劇団はそれらとは微妙に違っていた。今までみてきたどの劇団でも、主人公の姑を演じるのは座長。もちろんこの公演でも若丸座長が姑。以下が…

『瞼に母』都若丸劇団@博多新劇座 11月6日昼の部

このお芝居、三回目だった。いつもおなかを抱えて笑ってしまう。絶妙の間の取り方。アドリブ部分がその都度少しづつ変わるので、飽きない。以下が大まかな筋。 おこも稼業の五郎やん(座長)が、ちょっとした行き違いから大店の旦那(キャプテン)に昔捨てて…

『二人の風来坊』都剛劇団@羅い舞座御所 9月26日昼の部

若丸座長が9月一ヶ月不在。その間は剛副座長が座長、星矢花形が副座長、そして舞斗さんが花形に「昇格」。ということで、お芝居の内容は以前にみたときとほぼ同じでも、配役を変えての舞台だった。楽しかった。大まかな筋は以下。 御嶽の親分(キャプテン)…

『泥棒道中』都若丸劇団千秋楽公演@新開地劇場 4月29日

お芝居は『泥棒道中』だった。去年も観ているし、超満員だろうと予想してはいたけれど出かけた。案の定、開演40分前にすでに長蛇の列、二階席になった。とはいうものの、歌舞伎の劇場に比べたら、二階席といえども舞台が近い。オペラグラスも必要ない。 楽し…

『金也の真心』都若丸劇団@羅い舞座堺東 3月22日昼の部

お芝居の『金也の真心』はみたことのないお芝居でした。都若丸劇団のHPには、ひかるさんが翌日の演目の外題をアップされているので、助かります。この劇団さんのHPは、必要な情報が網羅されているとてもよくできたものです。大衆演劇の劇団でここまで親切・…