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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『富くじ千両箱』劇団花吹雪(碧月心哉さんゲスト)@新開地劇場9月21日昼の部

お芝居は初めてのもの。コメディ。構成がきっちりしていた。その上、笑いに無理がなかった。いかにも上方喜劇。『道中夢枕』などとの共通点を強く感じた。
内容は他愛ないもの。以下が大まかな筋。

旅の途中、富くじで当たった千両を狙われた末、殺された商人(京誉)。行倒れたところに通りかかった旅人、弥太郎(心哉)。彼は行きがかり上、商人の遺言を聞く羽目になった。遺志というのは、その千両を彼の息子に届けるというものだった。

ところが目当ての息子(梁太郎)は金貸しに追われて夜逃げしてしまっていた。またもや息子を追跡する羽目になった旅人。その道中、例の商人を手にかけた悪い浪人者に脚を斬られる。怪我を治すのには50両が必要だった。ともに旅をかけている鳥追い女(かおり)が自分を土地の親分(春之丞)に「売って」調達してくれる。旅人とこの女は互いに反発しつつも、実は思い合っていて、最後は結ばれ、めでたし、めでたし。

主筋に、弥太郎の幼馴染みの岡っ引き(京之介)、金貸し(英二)、料亭主人(京誉)などが絡む伏線が幾つかあり、それが主筋にうまくリンクするように工夫されていた。

花吹雪が喜劇に強いのは夙に有名だけど、心哉さんもなかなか。負けていない。恋川純さんとタッグを組んでこられただけのことはある。で、本日はなんと主人公。京之介さんとの掛け合いも違和感がなく、まるで一座の役者みたいだった。この「はまり感」、半端でない。何度も「共演」済みだから?というのも、寿美英二大夫元に先月の共演(?)をネタに散々いじられておられたから。大夫元はこの芝居で大活躍だった。

また、宿屋の女中役の愛之介さんもがぶっ飛びおブサメイクで大活躍。大柄で背が高いので、女装すると(気味悪く)迫力満点。でも可愛い。