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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

2014-01-01から1年間の記事一覧

『銀のかんざし』都ゆかり誕生日公演@明生座 11月28日夜の部

ゆかりさん、お誕生日おめでとうございます。掛け値なく大衆演劇界でナンバーワンの女優さんであることを証明された公演だった。若丸座長との阿吽の呼吸のお芝居、絶品でした! 『銀のかんざし』、私には初めてのお芝居。松竹新喜劇自体を最近になるまで実際…

『大工の一日』都若丸劇団@明生座 11月18日夜の部

お芝居『大工の一日』は2011年4月の新開地公演の折に観ただけで、今回が二回目。そのときには英国人の知り合いと一緒だったのだけど、彼は大工のトメとその後の舞踊ショーの美しい女形(座長)が同一人物だと分からなくて、説明するのが大変だった。「もう一…

『風の九太郎』都若丸劇団@明生座 11月6日夜の部

このお芝居の主人公、九太郎は大衆演劇定番の任侠ものの、いわゆる「かっこいい」主人公ではありません。ドジで間抜けなやくざ、でもそのドジさがなんとも人間的でカワイイ、そんな男です。そういうアンチ・ヒーローを若丸さんは好んで演じます。どこを切っ…

『男の誓い』都若丸劇団@明生座 11月4日夜の部

『男の誓い』は以前に何回か観て記事にしている。 今日の配役は盲目の侍は剛さん。その妻をはるかさん。悪い親分をキャプテン。そして源太はもちろん若丸さんだった。これが普段の配役のようだけど、私は侍を星矢さんでも観ている。それぞれ少し味わいが違っ…

『男の立引き』英樹さんお誕生日公演 都若丸劇団@明生座11月2日 夜の部

英樹さんのお誕生日ということで、お芝居も主役を。このお芝居、初見。 いろいろな題材をコラージしたお芝居だった。以下、あらすじ。 傘張りをして糊口をしのいでいる岡島(英樹)。もとはさる藩の藩士だったが、藩主の宝、名剣「むかで丸」を何者かに盗み…

『鼠小僧と白鷺銀次』たつみ演劇BOX@京橋羅い舞座 2014年9月25日夜の部

お芝居は『鼠小僧と白鷺銀次』で、予定表にリストされていた『武士道残酷物語』を変更しての喜劇だった。たつみ座長の口上では、重い芝居が続いているので、「お笑い系」に差し替えたとのことだった。 この『鼠小僧と白鷺銀次』、2009年2月に朝日劇場に乗っ…

『ご存知一心太助—天下の一大事—』たつみ演劇BOX @京橋羅い舞座2014年9月1日初日昼の部

中村錦之助(後の萬屋錦之助)主演の映画版を舞台版にしたもの。 築地魚河岸の名物男、一心太助。天下のご意見番、大久保彦左衛門に意見したことで、手打ちにあうどころかその心意気に惚れ込んだ彦左衛門に何かと取り立てられることになる。そのとき右腕に「…

『浪人街』大川良太郎座長with都若丸・小泉たつみ・小泉ダイヤ各座長@羅い舞座京橋劇場8月19日昼の部

マキノ正博監督映画であまりにも有名な『浪人街』。この日はお芝居からの開始。筋は以下。 時は幕末。場所は江戸。ある神社境内。女(かおり)が旗本に捕まっている。女が財布を盗ったというのだ。いいがかりだといって、抵抗する女。そこに通りかかった浪人…

『紺屋と高尾』劇団美山@朝日劇場 8月17日昼の部 

ミニショーを潰しての通し狂言。長い芝居をこの長さに縮め、役の数を減らし、その上で意味が通るようにするのはさぞ難しかっただろう。でも成功していた。「恋患い」の場面(座長の独り舞台に近い)がちょっと長過ぎる感はあったけど。 人口に膾炙した話だけ…

『必殺仕事人』、LINK特別公演with 劇団九州男@羅い舞座京橋劇場8月8日夜の部

とにかく人、人、人。ただ、緊急地震警報が出ていたため、遅刻する人が多かった。ものすごい熱気。初日も8日の引き換え券を予約するのに来場、その流れで公演を見る人がいたので、470人収容という会場がほぼ満員の盛況だったが、それ以上。 脚本・演出は大川…

『下田港の暴れん坊』都若丸劇団@梅田呉服座 7月29日昼の部

あらすじは以下。 第一場 舞台は江戸。美人で評判の芸者千代丸(ひかる)には長吉(剛)という相思相愛の男がいて、彼と一緒になりたいと願っていた。芸者置屋、一文字屋の女将のおさい(ゆかり)も二人を応援していた。そこに横やりを入れたのが山形屋の親…

『呪いの峠』都若丸劇団@梅田呉服座 7月30日千秋楽

観る前から初めて観るものだと分かったので、ネット検索をかけたら、Tokijiroさんという方がブログにレポを上げておられた。2012年10月27日のものです。参考にさせていただきました。ありがとうございます。以下が大筋。 第一場 小川勝五郎(星矢)は妻を井…

『新造船』都若丸劇団@梅田呉服座 7月28日夜の部 

喜劇ではなかった。普通の人情劇。以下、あらすじ。 網元をしていた父の下に生まれた兄弟、信吉と信太郎。信太郎は父が網元として集金した金を持ち逃げしてしまう。残された父はその弁財に苦労。それが祟り、亡くなる。残された信吉(若丸)は漁師として父の…

『度胸一番』&「TOKIO’s Live 」都若丸劇団@梅田呉服座 7月27日夜の部

お芝居は『度胸一番』。初めて観るお芝居だった。明らかに『幡随長兵衛』のもじり。「本家」のお芝居では長兵衛は町奴だけれどいわば江戸町民の代表で、片や彼を湯殿で殺す水野十郎左衛門は旗本、つまり侍の代表として描かれている。この若丸バージョンでは…

『万吉涙唄』都若丸劇団@梅田呉服座 7月22日昼の部

以前にも一度みているのだが、記事にしていなかった。タイトルでは思いだせなかったけど、幕が開いた途端あれだと分かった。というのも若丸劇団ではめずらしい現代劇だったから。 すぐに藤山寛美作だろうと見当はついた。ネットで検索すると、このお芝居、藤…

『五条のたてひき』都若丸劇団@梅田呉服座 7月21日夜の部

このお芝居、以前に2回ばかりみているのに、記事にしていなかった。大筋は以下。 神社の境内。三下の亀吉(ゆかり)が息巻いている。若い娘たちが通りかかるが、「亀ちゃん、親分は?」と、この三下には興味がない様子。そこへ派手な紅の着物姿の好い男が登…

『火の車』都若丸劇団@梅田呉服座 7月20日昼の部

劇場に行って驚いた。人、人、人!席を予約していなかったので、開演20分前に行ったのだけれど補助席。通路の補助席だったけど、呉服座は客席が階段状になっている上に補助椅子が座席より高いので、見やすさ120パーセント。舞台、客席全体を俯瞰できて、大満…

『晴れ姿千両役者』都若丸劇団@梅田呉服座 7月18日昼の部

以前に一度観て、よくできた芝居だと感心したもの。若丸さんのことだから時代考証もパーフェクトなんだろう。そういえば先月朝日劇場でお目にかかった若丸ファン歴11年とおっしゃる男性はその点をとくに褒めておられた。私はその辺りが疎いので、あらためて…

『三下剣法』都若丸劇団@梅田呉服座 7月15日昼の部

昼でトリプルの大入り。満員。補助席も満席。 お芝居は『三下剣法』で、4回目になるのに、このブログ記事にしたのはずっと以前の一回のみ。それもあらすじを書いていなかった。というわけで、おおまかな筋を以下に残しておく。固有名詞は控えていなかったの…

『俺たちゃ渡り鳥だよ』都若丸劇団@梅田呉服座2014年7月4日夜の部

新開地劇場でもみた喜劇だった。話の大筋はそのときのままだけれど、そこは若丸さん、細部が微妙に替えられていた。 旅人二人(若丸・剛)が「相部屋」になって、これから休もうという時に、前に観た折には『泥棒道中』を思わせる「予感」があって、「お芝居…

『親子草紙』都若丸劇団@朝日劇場 6月27日昼の部

初見のお芝居だった。九州系劇団で生き別れた親子の悲劇を描く「親子もの」をいやというほど観てきたので、この手の話には食傷気味。これも悲劇は悲劇だったけど、べったりしたお涙頂戴路線とは違っていた。観客の涙腺に訴える芝居は演じる側にはやり易いん…

『風来坊と巾着切り』都若丸劇団 6月25日夜の部

初見のお芝居。大衆演劇によくある「悪い親分を懲らしめる」パターンの完全なパロディ。ホント、よくできていた。要約すると、「茶店の老主人(剛)とその娘を助けるために、ヤクザ一家に乗り込んだ時雨の半二(若丸)の助っ人顛末記」ということになるだろ…

『日本おかしばなし』in「若ちゃんまつり」都若丸劇団@朝日劇場 6月24日夜の部

「若ちゃんまつり」と銘打っての公演。ものすごい人の数。通路はもちろん最前列席の前にも、さらには入り口をつぶしての座席がしつらえてあった。「マジメなお芝居を期待する人は遠慮してください」と若丸さんから事前にアナウンスがあった。そうなると大阪…

『姿なき仇討ち』都若丸劇団@朝日劇場 6月13日昼の部

今日は豪華なゲストが勢揃いした。劇団舞姫葵好太郎座長、劇団九州男大川良太郎座長、それにたつみ演劇BOXから嵐山瞳太郎さんと三人のゲスト。 朝日劇場に到着して驚いた。ものすごい人。休憩時間にさらに驚いた。入り口をつぶしての見物の人がけっこういた…

『必殺仕事人』都若丸劇団@朝日劇場6月9日昼の部

去年、京橋劇場でのLINKの公演でも同タイトルのお芝居をみた。ただし話の中身はまったく違った。こちらの方がずっと構成が緻密だった。だから、芝居の「見せ場」が計算されて提示できたのだろう。この「必殺」シリーズは「見せ場をいくつ作ってなんぼ」とい…

『夜明け笠』都若丸劇団@朝日劇場6月1日

5年ぶりの朝日劇場だそう。私はまだ5年前には大衆演劇を見ていなかったので、朝日に乗った都若丸劇団を知らない。けっこう若丸さんのお芝居を見てきたけれど、このお芝居は初めて。全体の枠組みはヤクザ間の「抗争」を描く昔ながらのお芝居の体裁はしている…

『三人吉三』小泉たつみ座長誕生日公演@浪速クラブ2014年5月27日夜の部

「たつみ演劇BOX」を率いる小泉たつみ座長の三十三歳の誕生日公演だった。座長の誕生日公演ということで、ものすごい混雑が予想されたので行くつもりはなかったのだが、最近になって演目が『三人吉三』と知り、どうしてもみたくなった。当日並ぶしかないだろ…

『恩愛夫婦旅笠』都若丸劇団@ぎふ葵劇場 5月26日昼の部

以前に明生座で観たお芝居で、このブログ記事にもしている。他劇団でもみたことがあるが、劇団によって強調するところが違っていた。若丸ヴァージョンは、年かさの夫婦の夫(若丸)がいかに妻を赦すかというところに重点がおかれている。この夫の演技力に芝…

『人情深川流し』都若丸劇団@ぎふ葵劇場 5月13日

この演目は観たことがない。昼は若丸座長が、ひき逃げで亡くなった友人のお見送りに京都に出かけていて、帰りが開演ギリギリ。そこで、主要な役の一つをキャプテンが務めた。 義理の息子にちょっとしたたはずみで殺される父(カネの亡者という設定)の役である…

『明治一代女』たつみ演劇BOX浪速クラブ2014年5月4日昼の部

このお芝居、以前にもたつみ演劇BOXで観ている。以前観たときの配役とちがっていたのは、今日は昼の部だったから。昼・夜で配役替えがあり、昼は巳之吉と仙枝の二役をたつみさん、秀吉をダイヤさんだが、夜はそれが入れ替わっている。今日の方がインパクト大…