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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

2010-01-01から1年間の記事一覧

『踏切番』劇団花吹雪@一心寺シアター 12月22日夜の部

お芝居は11月の新開地で観た『踏切番』でしたので、筋は省略します。アドリブ部分、とくに真之輔さんを春之丞さんが『切られ与三郎』の中の台詞を使って「特訓」するところが前観たときと少し変わっていました。今度のほうがおかしさ倍増でした。真之輔さん…

『まぼろし峠』三河家劇団 劇団花吹雪春之丞座長、真之輔さんゲスト@鈴なり座12 月18日昼の部

お芝居は『まぼろし峠』。 置屋「田琴」の娘お千代(諒さん)は大店油屋の若旦那(華太郎さん)に見初められるが、彼女には言い交わした清さん(真之輔さん)という男がいた。油屋から若旦那と番頭が来て、支度金として5百両を出すという。置屋の女将でもあ…

『子別れ三度笠』第二回開場記念公演@新開地劇場 2010年12月16日夜の部

お芝居は『子別れ三度笠』。春之丞さんは準主役といったところ。旅人の銀二を演じられました。そこそこの出番でしたが、もっと欲しかったです。 親分の上総屋政五郎伍代孝雄さん)が旅に出ている間、代貸しの金五郎(恋川白峰さん)が親分の幼い息子政吉とも…

『幡随院長兵衛』三河家桃太郎劇団 四代目三河家桃太郎追悼公演DVD 

今年の2月16日の公演をDVDにしたものを、先日三河家劇団を観劇した際に買い求めました。2日間に渡る公演で、DVDも2種類いあったのだけど、もちろん春之丞さん、そして伍代孝雄さんの入っている方を迷わず選びました。春之丞さん、黒い皮コートを羽織っ…

『奥さま仁義』五代目三河家桃太郎2010年12月9日夜の部

圧倒的な存在感でした。もちろん桃太郎座長です。堂々としていて、そしてそれがぶれず安定しています。だから観ている側もそれにシンクロして、なにか一座のものになったような気分になります。それでいて、決して狎れ合っているというわけではないのです。…

劇団花吹雪讃

今日は久しぶりに少し早く帰れたので、仕事の前に少しビデオを観ました。先月の劇団花吹雪公演のDVDなのですが、これについては前に言及しました。2本のお芝居、どちらも好きなのですが、特に『お富与三郎』、何度見ても傑作です。何度観ても笑い転げてし…

第二回新開地劇場開場記念公演<冬華祭>のチケット

一昨日、劇場でチケットを買いました。12月16日(木)に開催されます。劇場のポスターにまだ空席があると貼り紙があったのです。花吹雪さんのアナウンスでは昼の部のみ少しあるということだったので、あきらめていました。良い席ではないのですが、とにかく…

『関の弥太っぺ』三河家桃太郎劇団@鈴なり座2010年12月1日夜の部

この劇団を観るのは初めてだったのですが、以前から観たいと思っていました。浜松のバーデンバーデンで観たつれあいがよかったといっていたのです。お芝居、さすがでした。基本をきちっと踏まえた構成、そしてなによりも座長の演技力、秀逸でした。お芝居は…

『関の弥太っぺ』三河家桃太郎劇団@鈴なり座2010年12月1日夜の部

この劇団を観るのは初めてだったのですが、以前から観たいと思っていました。浜松のバーデンバーデンで観たつれあいがよかったといっていたのです。お芝居、さすがでした。基本をきちっと踏まえた構成、そしてなによりも座長の演技力、秀逸でした。お芝居は…

『男の人生』劇団花吹雪@新開地劇場 2010年11月29日

今日は昼から会議が入ったので勤務先に来ています。千秋楽、行けなくなってしまいました。心残りですが、1月が八尾グランドホテルなので、その折の楽しみに取っておきます。でも今日の春之丞さん女形の喜劇、観たかった!思いっきり笑って厄払いできたでしょ…

茜健草(劇団花車)さんのこと

『花舞台』で劇団花車の茜健草さんの追善公演の予告を読み、彼が亡くなられたことを初めて知りました。ショックでした。10月18日に入院先の病院でクモ膜下出血のため亡くなられたそうです。去年9月の弁天座公演で前売券を客席に売りにこられた折、また、今年…

『三本の矢』劇団花吹雪@新開地劇場 2010年11月28日

昨日、11月28日のお芝居は『三本の矢』でした。もちろん毛利元就の有名なエピソードにちなんだものです。浪速の材木問屋の主人が突然亡くなり、一家では35日の法要を営む準備をしている。なくなった主人には三人の息子がいるが、長男(春之丞さん)は長崎に…

『ヤクザばか』劇団花吹雪@新開地劇場2010年11月26日

お芝居は『ヤクザばか』でした。 兄弟の契りをした二人のヤクザ(兄貴分が愛之介さん、弟分が真之輔さん)。弟分が好いた女性と一緒になって堅気になりたい打ち明けます。その直後に兄貴分が襲われたところを、弟分がつぶてを投げて助けます。それを感謝しつ…

『小夜嵐恨みの一刀』劇団花吹雪@新開地劇場2010年11月25日夜の部

お芝居は『小夜嵐恨みの一刀』でした。 侍の家に嫁いだ小夜(かおりさん)は夫(愛之介さん)不在中に舅から町人の出ということで、離縁され追い出され、実家の兄、仁左衛門(春之丞さん)の営む商家に戻ります。二人には両親はすでになく、兄は家の前で行き…

『お祭り提灯』劇団花吹雪@新開地劇場2010年11月23日夜の部

西宮芸術文化センターでの『四季』演奏会の後、花吹雪さんの公演を観に新開地まで行きました。風邪気味で風邪薬を飲んだもののけだるくてどうしようと迷ったのですが、やっぱり行ってよかったです。お芝居は喜劇、『お祭り提灯』で、思いっきり笑ってすっき…

『ある日の殿様』劇団花吹雪@新開地劇場2010年11月21日夜の部

今月、ちょっと嫌なことが続いたのですが、花吹雪さんの舞台を観て元気をいただきました。このような癒しを観劇には期待していなかったのですが、今回初めて体験することができました。花吹雪さんを観れるというだけで、どれだけ落ち込んだ気持ちが救われた…

『三つの魂』劇団花吹雪@新開地劇場2010年11月16日夜の部

お芝居は『三つの魂』でした。長崎のバテレンの兄弟妹三人が幼い頃迫害で両親を失い、逃げる途中にはぐれて散り散りになり、成人してから再会するも、盗賊の首領に岡っ引き、そして盗賊の手下の妻という皮肉な運命のめぐり合わを嘆きあう結末になります。今…

『おとめ与三郎』劇団花吹雪@新開地劇場2010年11月7日

昼の部を劇場で観ました。でもあまりにもすばらしい舞台でしたので「もう一度見たい」、そう思っていたら、劇団からDVDが出たので、早速買い求めました。一応簡単なレポは以前にしましたが、以下はDVDを見ながら、そして当日の舞台を反芻しながらのレ…

『母恋信州路』劇団花吹雪@新開地劇場 2010年11月5日

夜の部を観ました。お芝居は『母恋信州路』、主演の百姓亥之松(字が間違っているかもしれません、以下同様)を真之輔さん、その弟の美代吉を子桜何とか君(初出場だそうです)、上総屋親分政五郎を春之丞座長、代貸銀二を梁太郎さん、子分佐太を愛之介さん…

『あかんたれ』新川劇団@小岩2010年10月22日

お芝居は『あかんたれ』でした。大阪の大店の息子の話です。「継子もの」、「根性もの」、そして「改心もの」をミックスした筋書きでした。義理・人情がらみの話ですが、そこにサディズムの味付けがされています。一歩間違えればセンチメンタルになるところ…

『花笠文治』伍代孝雄劇団@新開地劇場2010年10月30日

29、30日(千秋楽)と新開地の伍代孝雄劇団公演に行きました。とにかく素晴らしかった!伍代さんは今月までみる機会がなかったのですが、芝居は内容、構成、演出ともに今まで観た中で一番私の好みでした。旅芝居が「小歌舞伎」といわれた名残を最も残した劇…

『佐久の鯉太郎』伍代孝雄劇団@新開地劇場 10月26日

第一部には遅刻。お芝居からの観劇。2週間前に観た折に、座長のお芝居と踊り(立ち、女形とも)が際立って光っていたのに驚嘆したが、それ以降訪ねる機会を逸していた。だからこれが2回目の観劇で、今更ながらに座長の並外れた技巧と美を認識させられた。ま…

『花の兄弟』剣戟はる駒座@浪速クラブ2010年9月12日

お芝居は以前に「たつみ演劇box」でも観たことのあるものでしたが、大幅に内容が変えられていました。内容は以下です。 侍の兄弟が父の仇を討ちに旅をかけるが、途中二人が行き別れになる。兄の方は通りがかりに酔っ払いに絡まれて困っていた娘を助けたのが…

『博多明太子』?下町かぶき組劇団悠 @豊中リゾートプラザ

「下町かぶき組」は松井誠さんがプロデュースする劇団群だというのは、演劇グラフ等の情報で知っていました。昨日書店で『正論』を立ち読みして(スミマセン)、そのなかの記事に彼の来歴が掲載されていました。とても心を打つ記事でした。というわけで、か…

津川竜座長率いる最強劇団「剣戟はる駒座」

去年の2月から1年数ヶ月にわたって40余り旅芝居を観てきたけれど、この劇団ほど旅芝居の枠を超えた、旅芝居独特の「臭さ」をまったく感じさせない劇団は他にありません。そういうふうに分けられる劇団が他にあるとしたら小泉たつみ座長の「たつみ演劇Box…

『沓掛時次郎』恋川純弥座長襲名10周年誕生日公演昼の部

お芝居は『沓掛時次郎』でした。純弥さんが時次郎、二代目が時次郎に切られる男の役、桃ちゃんがその男の妻という配役でした。純弥さんが子供を見る目って、ほんとうに優しいのです。彼のお人柄がよくでているお芝居でした。 去年は誕生日公演はパスしたので…

『住吉情話』新川劇団@仏生山2010年8月8日

新川劇団のお芝居はほとんど観ていると思います。『住吉情話』もそのうちの一つです。ひとことでいえばいじわるばあさんの改心劇なのですが、意地悪ばあさん役の笑也さん、それを戒める役の博也さんの演技が光ります。九州系の劇団でも観ましたが、新川さん…