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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

兄弟間の愛憎が胸に迫る『夢現(ゆめうつつ)』in「勘太郎・蘭太郎の日」劇団荒城@浅草木馬館10月23日夜の部

これはもう一重に兄弟しかできない芝居。あらすじは以下。 ヤクザ一家の父が亡くなり跡目を継ぐ段になって、長男(勘太郎)は継がずに旅に出るという。次男(蘭太郎)はなんとか止めようとするが、長男は譲らない。その土地、川向こうにはもう一つヤクザの一…

華麗で内容の濃い舞踊ショー「劇団あやめ」@三和劇場 5月21日昼の部

他の人気劇団のように照明に凝りまくるというのではないのに、とにかく華麗な舞踊のオンパレード!実に充実したショーを魅せてくれる。それというのも、一人一人の舞踊の内容そのものが「濃い」から。1月から入った新人のウランさんを入れても総勢がたった…

座長、姫猿之助のアドリブ満載「劇団あやめ」の『浅間の喜太郎』@三和劇場 5月13日昼の部

それにしても、姫猿之助座長は喜劇に強い。 同種の芝居はいろいろな劇団で見てきている。親分殺しと仇討ち、それに親子名乗りが組み込まれたお芝居。おそらく九州系劇団の定番だと推察している。「劇団あやめ」版は、元の人情劇を一旦解体、そのあとでコメデ…

咲之阿国さんの熱演が光る「劇団あやめ(姫猿之助座長)」の『白痴殺しはお夏の犯罪』@三和劇場5月10日昼の部

かなり陰惨な話。主演の阿国さんが口上で、この芝居の由来を語られた。実際にあった悲劇を素にして、姫猿之助座長のお祖父様である(初代)姫川竜之助さんが創作された芝居だとか。当時はお夏を姫まどかさんが演じられ、そのあと、姫猿之助さんが演じられた…

姫猿之助座長と咲之阿国さんのアドリブ掛け合いにハマる「劇団あやめ」の『浜の兄弟』@三和劇場 5月1日昼の部

今まで見たことがなかった「劇団あやめ」、圧倒された。実は4月26日にふと思い立ち、九条笑楽座に乗っているのを見に出かけた。前の週からインフルエンザで体調が悪く、第四部(!)の『四谷怪談』を見ることができなかったのが、残念だった。少し体調も戻っ…

男組のパワー炸裂『河内の次郎長』劇団昴星@梅田呉服座2月19日昼の部

大和みずほ座長とお兄様の一也さんは長年伍代孝雄劇団に所属されていた。さすが「芝居の伍代」の継承者の面目躍如だった。加えて、ご本人も男性座員も全員がとにかく若い。みずほ座長は三十代後半、お兄様の一也さんが四十代後半。そこに三十歳になったばか…

趣向を凝らした荒城版「お夏清十郎」——劇団荒城『迷宮』@篠原演芸場 1月10日

「狂乱」というタイトルは劇団スケジュールで分かっていたのだけれど、それが「お夏狂乱」からきているとは!芝居が始まって「お夏」、「清十郎」の名が出てきて、初めて気づいた。 「お夏精十郎」の種になっているのは、姫路で実際に起きた事件。それが歌祭…

『夫婦破傘』桐龍座恋川劇団@羅い舞座京橋劇場 11月25日昼の部

ずっと以前、まだ純弥座長の頃に一度見て、(純弥さんでなく)純さんのうまさに唸った芝居。その後、見る機会がなかった。以前は純弥さんが夫、純さんが妻という組み合わせだった。今回は風馬さんが夫、純座長が妻。この夫婦のところに下宿している夫婦を千…

「劇団心」(碧月心哉座長)の『泥棒哀歌』@池田呉服座9月14日昼の部

ハプニング続きの起伏に富んだ一日になった。 2日前、恋川劇団におられた恋川心哉さんならぬ碧月心哉さんが最近立ち上げられたばかりの「劇団心」を初観劇。先週末に「劇団悠」におられた嵐山錦之助さんがゲストで出ておられると聞いたばかり。心哉さん、錦…

『友情断片録』たつみ演劇BOX ダイヤデー@朝日劇場5月15日夜の部

この演目、私の大好物。今までに4度見ている。最初に見たものをリンクしておく。 www.yoshiepen.net ほぼこのまま。違っているのは配役。いつもはたつみさんがやる五郎をダイヤさん、いつもはダイヤさんがやる義彦を瞳太郎さんだった。あとは同じ。ダイヤさ…

『富くじ千両箱』劇団花吹雪(碧月心哉さんゲスト)@新開地劇場9月21日昼の部

お芝居は初めてのもの。コメディ。構成がきっちりしていた。その上、笑いに無理がなかった。いかにも上方喜劇。『道中夢枕』などとの共通点を強く感じた。 内容は他愛ないもの。以下が大まかな筋。 旅の途中、富くじで当たった千両を狙われた末、殺された商…

『花の神田屋一家』浪花劇団@高槻千鳥劇場2015年6月1日初日

お芝居は『花の神田屋一家』。これ朝日劇場でもこの2月に観たもの。ただ、そのときと比べると花道あきらさんが他劇団に移られ(?)、あつしさんもおられなかったのが大きな変化。 悪い親分を大川龍子さん、座長が二役で一家の親分(芝居冒頭で殺されてしま…