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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『明暗一代男』in「たつみ演劇BOX」 @新開地劇場 6月6日

<お芝居:『明暗一代男』>

タイトルを聞いたとき、この翌日の芝居が『明治一代女』になっていたので、何かの間違いかと思ってしまった。「たつみ演劇BOX」では今までにそういう間違いはなかったので、私の早とちりだったんですけどね。この芝居は初見だった。

「たつみ演劇BOX」に出会ったのが2009年3月の明生座公演だったので、ファン歴は実に15年に渡る。その前月の2月に朝日劇場で公演中の「黒潮劇団」に小泉兄弟がゲストとして来演したのが、そもそも大衆演劇を見るきっかけになった。改めて感慨深い。

そういえば、今年の朝日、梅田呉服の劇場公演でも、見たことのない芝居が結構あった。たつみさんの口上によれば、それらのほとんどが「昔、父がやっていた古〜い芝居です」とのことだった。その芝居群はたつみさんのお祖父さまの嵐九一座長から引き継がれたものや、研究熱心なお父上の小泉のぼる座長の創作もあったのだろう。ただ、私としては、ときとして感覚的に「古いな」と感じたのも事実である。角度を変えれば、昔ながらの旅芝居の名残が色濃く残った芝居だったともいえる。もちろん、たつみさんはこれらをかなり改変され、現代風に仕立てておられたのだけれど、小龍さんが歌舞伎を仕立て直した小泉版などと比べるとそういう感がある。あくまで私の個人的感想ではあるけれど。とはいえ、古い芝居を型をさほど変えずにきちんと継承してゆくということも、意味のあることなんですよね。

わけの分からない前説になってしまって、失礼。この『明暗一代男』にもその「古さ」が残っているように感じた。別れ別れになった母と子の再会と別れを描いている点で、パターン的に旅芝居のおなじみのもの。『地蔵の宇之吉』などとよく似ている。そこに「仇討ち」の副主題が加わり、人物それぞれの義理と情の葛藤が絡み合って、最後の大団円へと突き進んでゆく。最後の場面が泣かせる芝居になっている。

 

<グランドショー>

解像度の悪いスマホで撮ったうち、かろうじてマシなものを。

 

たつみ 「ちょうちんの花」

 

ライト 「桜音」 撮ったものがピンボケばかりだった。

 

ダイヤ 「異邦人」 

 

ムーチョ 「津軽平野

 

たつみ・ダイヤ 「夏、嬉しいね」

 

小龍 「飢餓海峡」 圧巻だった!

 

たつみさん中心で群舞 「?」

 

ライト 「時代屋の女房

 

ダイヤ 「サウダージ

 

たつみ 「夢芝居」

 

本日以降の演目とゲスト一覧は以下。

6/7   「明治一代女」小龍主役

6/8     ライトデー 「石松の最期」

6/9  「仙太郎纏」ダイヤ主演

6/10    「蛇腹のお仙」小龍主演 

6/11     「丁半人情旅」

6/12     「忠僕仲助」 ライト主演

6/13  ロング公演 「中村仲蔵」 

               座KANSAIから6名ゲスト

6/14   休演

6/19 「赤垣源蔵徳利の別れ」ダイヤ主演

6/20   休演

6/22  たつみデー  昼:「一心太助」 夜:「人生劇場」グランドショー最後に「石川五右衛門ショー」?

6/23  ダイヤデー  昼:「不知火検校」夜:「清水港に来た男」

6/25  「高橋お伝」 小龍主演

 

ゲスト

18日    津川鵣汀

18日~24日  綺良崎蝶二

22日~26日  三河家諒