これはもう一重に兄弟しかできない芝居。あらすじは以下。 ヤクザ一家の父が亡くなり跡目を継ぐ段になって、長男(勘太郎)は継がずに旅に出るという。次男(蘭太郎)はなんとか止めようとするが、長男は譲らない。その土地、川向こうにはもう一つヤクザの一…
他の人気劇団のように照明に凝りまくるというのではないのに、とにかく華麗な舞踊のオンパレード!実に充実したショーを魅せてくれる。それというのも、一人一人の舞踊の内容そのものが「濃い」から。1月から入った新人のウランさんを入れても総勢がたった…
それにしても、姫猿之助座長は喜劇に強い。 同種の芝居はいろいろな劇団で見てきている。親分殺しと仇討ち、それに親子名乗りが組み込まれたお芝居。おそらく九州系劇団の定番だと推察している。「劇団あやめ」版は、元の人情劇を一旦解体、そのあとでコメデ…
かなり陰惨な話。主演の阿国さんが口上で、この芝居の由来を語られた。実際にあった悲劇を素にして、姫猿之助座長のお祖父様である(初代)姫川竜之助さんが創作された芝居だとか。当時はお夏を姫まどかさんが演じられ、そのあと、姫猿之助さんが演じられた…
今まで見たことがなかった「劇団あやめ」、圧倒された。実は4月26日にふと思い立ち、九条笑楽座に乗っているのを見に出かけた。前の週からインフルエンザで体調が悪く、第四部(!)の『四谷怪談』を見ることができなかったのが、残念だった。少し体調も戻っ…
大和みずほ座長とお兄様の一也さんは長年伍代孝雄劇団に所属されていた。さすが「芝居の伍代」の継承者の面目躍如だった。加えて、ご本人も男性座員も全員がとにかく若い。みずほ座長は三十代後半、お兄様の一也さんが四十代後半。そこに三十歳になったばか…
「狂乱」というタイトルは劇団スケジュールで分かっていたのだけれど、それが「お夏狂乱」からきているとは!芝居が始まって「お夏」、「清十郎」の名が出てきて、初めて気づいた。 「お夏精十郎」の種になっているのは、姫路で実際に起きた事件。それが歌祭…
ずっと以前、まだ純弥座長の頃に一度見て、(純弥さんでなく)純さんのうまさに唸った芝居。その後、見る機会がなかった。以前は純弥さんが夫、純さんが妻という組み合わせだった。今回は風馬さんが夫、純座長が妻。この夫婦のところに下宿している夫婦を千…
ハプニング続きの起伏に富んだ一日になった。 2日前、恋川劇団におられた恋川心哉さんならぬ碧月心哉さんが最近立ち上げられたばかりの「劇団心」を初観劇。先週末に「劇団悠」におられた嵐山錦之助さんがゲストで出ておられると聞いたばかり。心哉さん、錦…
この演目、私の大好物。今までに4度見ている。最初に見たものをリンクしておく。 www.yoshiepen.net ほぼこのまま。違っているのは配役。いつもはたつみさんがやる五郎をダイヤさん、いつもはダイヤさんがやる義彦を瞳太郎さんだった。あとは同じ。ダイヤさ…
お芝居は初めてのもの。コメディ。構成がきっちりしていた。その上、笑いに無理がなかった。いかにも上方喜劇。『道中夢枕』などとの共通点を強く感じた。 内容は他愛ないもの。以下が大まかな筋。 旅の途中、富くじで当たった千両を狙われた末、殺された商…
お芝居は『花の神田屋一家』。これ朝日劇場でもこの2月に観たもの。ただ、そのときと比べると花道あきらさんが他劇団に移られ(?)、あつしさんもおられなかったのが大きな変化。 悪い親分を大川龍子さん、座長が二役で一家の親分(芝居冒頭で殺されてしま…
お芝居は『釣り忍』。劇団美山で観るのは多分4回目。2013年にこのブログ記事にしている。以前よりレベルアップしていた。こうたさんのおはんがさらに説得力があったから。彼の成長がそれを可能にしたのだろう。まだ20歳前?以前観たときはまだ10代だったんで…
『利根の朝霧』は笹川繁蔵と飯岡助五郎の抗争を描いたもの。大利根河原の決闘としても有名。大衆演劇の定番。今回の芝居には平手造酒が絡む。虚実ないまぜになった話で、いかに自分たち流に創作するかが、各劇団の腕のみせどころ。劇団によっては平手造酒に…
似たタイトルの芝居を大衆演劇でいくつか観た記憶があるのだが、子母沢寛の原作を基にしたものなのだろうか。個別の内容を思いだせないので、推測にしかすぎないけど。芝居の主旨は、侍でありながらヤクザになった「りゃんこの弥太郎」のイナせなカッコよさ…
この芝居は近江劇団系列のものなんだろうか。飛龍劇団の芝居との質の近さを感じた。もとの脚本(ホン)があるんだろう。構成がかっちりしている。複雑なのに起承転結に無理がない。ベースは人情劇。そこに笑いの要素が多分に入っている。『へちまの花』など…
種本は藤山寛美さんのものだそう。筋立てがきわめて入り組んでいる。隠したお金50両をめぐるドタバタ劇という点では『お祭り提灯』を思わせるけど、込み入り方、凝り方はそれ以上。 舞台装置、プロップはまるで大劇場にいるような完成度の高さ。さすが朝日劇…
遅れて、ミニショーは観れず。もちろん、この日は補助席もいっぱいの大入りで、席がないかと心配したけど、上手壁際の最後列補助席を確保できた。梅南座の「名物女将」さんが席を回られ、快適に観れる用腐心して下さる。小屋も規模が小さいけど、アットホー…
中村菊之丞(剛)さんを苛める紀伊国屋を去年11月の明生座での公演時と同じくあきらさんが演じた。 上方(浪速)ではすでに人気役者としての地位を築いていた菊之丞、父の遺言に従って、江戸でも役者として花を咲かせようとしていた。ただ、当時のこと、現代…
この日は二部構成、第一部がお芝居、第二部が舞踊ショーだった。お芝居、『命くれない』は初見。おおまかな筋は以下。 芸者、お半(かおり)は思い人を探して、置屋のお抱え芸者をしている。そのお半に岡惚れしたのが長崎奉行(東映の谷口さん)。置屋の女将…
『火の車』は以前に2回観ている。ただ配役に入れ替えが。若丸座長が死神というのは同じ。でももう一人の主役、善兵衛の息子の善吉をいつもなら剛さんが演るところ、この日はゲストのたつみ座長が。剛さんは子分役に回っておられた。死神と善吉との掛け合いが…
若丸劇団では初めて観るお芝居。もっとも、似たような設定とプロットの作品は大衆演劇では何度も観ている。以下がそのあらまし。 子分の女房に横恋慕した悪い親分(城太郎)。その子分を凶状の旅に出す。女房(ひかる)を横取りするためだった。旅に出る前に…
お芝居は『月夜にさらばお鼠騒動』。 若丸座長によると、ずっと以前に大会等で出したことのある芝居だそう。構成が良く練られていたのは、若丸さんが再構成したためだと思われる。とてもよくできたお芝居だった。 よく出来ていると感心したのは、この日のゲ…
今日は都紗助さんの誕生日公演だった。お芝居でも「準」主役という重要な役どころ。緊張のあまり、台詞を間違えたり、噛んだりするなんてハプニングもあったけど、それも逆にほのぼのした感じがしてチャーミングだった。いつも一生懸命な紗助さん。その真面…
初めて観るお芝居。以下がおおまかな筋。 亭主の留守中に贔屓の役者(舞斗)を家に引き込んだ女房(ゆかり)。そこに寄合いに出かけ、一晩帰らないはずだった亭主(若丸)が、不意に帰ってくる。慌てる女房、役者を押入れに隠す。亭主をなんとか口実をつけて…
以前にも観ている。 ちょっと足らない大工の見習いのトメ(若丸)と、その親方の棟梁(城太郎)を軸に芝居が回る。そこに傘を借りに来たり、ネコを借りに来たり、あるいは屋根の修繕のやり直しを頼みに来たりする近所の人たちが絡む。棟梁から聞いている「断…
『二人の風来坊』は以前に3回観ている。配役は以下。 時雨の半二 若丸 流星のお銀 ゆかり(これは一緒) 御嶽の熊五郎親分 城太郎 柿の木長者の若旦那 剛 茶店水月姉娘 ひかる 妹娘 蘭香 あとの男性陣は熊五郎親分の子分役。東映の谷口さんも子分に参加。柿…
5日前のお芝居なので、ちょっとあやふやなところがあるかもしれない。ざっくりとしたあらすじは以下。 漁師の友吉(若丸)は病気の父(芦屋小雁)、それに妹のさよ(ひかる)と波浮港に住んでいた。妹は漁師の新吉(剛)と将来を言い交わしているが、彼の博…
今月の公演、毎日昼夜で出し物が替わる。この日のみ昼の部がなく、夜の部のみだった。幸いなことに、私にとっては初めてのお芝居。最近テレビでもとみに時代劇が少なくなっているようだけど、この作品はまさにその時代劇。幕が開いた途端、『鬼平犯科帳』の…
去年の7月にも観たお芝居。 ごく最近気づいたこと。それはお芝居の中のアドリブすら、計算されて配置されているという衝撃の事実。もちろん、多少の入れ替えはあるし、当意即妙のものもある。でもかなりの部分が計算済み。これは、ホント衝撃だった。このお…