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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

2015-01-01から1年間の記事一覧

『釣り忍』劇団美山@新開地劇場 11月1日初日夜の部

お芝居は『釣り忍』。劇団美山で観るのは多分4回目。2013年にこのブログ記事にしている。以前よりレベルアップしていた。こうたさんのおはんがさらに説得力があったから。彼の成長がそれを可能にしたのだろう。まだ20歳前?以前観たときはまだ10代だったんで…

『利根の朝霧』たつみ演劇BOX@新開地劇場9月10日夜の部

『利根の朝霧』は笹川繁蔵と飯岡助五郎の抗争を描いたもの。大利根河原の決闘としても有名。大衆演劇の定番。今回の芝居には平手造酒が絡む。虚実ないまぜになった話で、いかに自分たち流に創作するかが、各劇団の腕のみせどころ。劇団によっては平手造酒に…

『弥太郎笠』一竜座@浪速クラブ 6月26日夜の部

似たタイトルの芝居を大衆演劇でいくつか観た記憶があるのだが、子母沢寛の原作を基にしたものなのだろうか。個別の内容を思いだせないので、推測にしかすぎないけど。芝居の主旨は、侍でありながらヤクザになった「りゃんこの弥太郎」のイナせなカッコよさ…

『べらんめえ槍道中』浪花劇団@高槻千鳥劇場 2015年6月21日昼の部

この芝居は近江劇団系列のものなんだろうか。飛龍劇団の芝居との質の近さを感じた。もとの脚本(ホン)があるんだろう。構成がかっちりしている。複雑なのに起承転結に無理がない。ベースは人情劇。そこに笑いの要素が多分に入っている。『へちまの花』など…

『裏町情話』都若丸劇団@朝日劇場 6月4日昼の部

種本は藤山寛美さんのものだそう。筋立てがきわめて入り組んでいる。隠したお金50両をめぐるドタバタ劇という点では『お祭り提灯』を思わせるけど、込み入り方、凝り方はそれ以上。 舞台装置、プロップはまるで大劇場にいるような完成度の高さ。さすが朝日劇…

『下田夜話』浪花劇団(浪花新之介座長)千秋楽@梅南座2015年4月29日

遅れて、ミニショーは観れず。もちろん、この日は補助席もいっぱいの大入りで、席がないかと心配したけど、上手壁際の最後列補助席を確保できた。梅南座の「名物女将」さんが席を回られ、快適に観れる用腐心して下さる。小屋も規模が小さいけど、アットホー…

『晴れ姿千両役者』都若丸劇団@京橋羅い舞座 3月21日昼の部

中村菊之丞(剛)さんを苛める紀伊国屋を去年11月の明生座での公演時と同じくあきらさんが演じた。 上方(浪速)ではすでに人気役者としての地位を築いていた菊之丞、父の遺言に従って、江戸でも役者として花を咲かせようとしていた。ただ、当時のこと、現代…

『命くれない』都若丸劇団 with 大川良太郎、葵好太郎各座長&九条かおりさん(ゲスト)@羅い舞座京橋劇場 3月20日夜の部

この日は二部構成、第一部がお芝居、第二部が舞踊ショーだった。お芝居、『命くれない』は初見。おおまかな筋は以下。 芸者、お半(かおり)は思い人を探して、置屋のお抱え芸者をしている。そのお半に岡惚れしたのが長崎奉行(東映の谷口さん)。置屋の女将…

『火の車』都若丸劇団 with 小泉たつみ座長&葵好太郎座長(ゲスト)@羅い舞座京橋 3月16日昼の部

『火の車』は以前に2回観ている。ただ配役に入れ替えが。若丸座長が死神というのは同じ。でももう一人の主役、善兵衛の息子の善吉をいつもなら剛さんが演るところ、この日はゲストのたつみ座長が。剛さんは子分役に回っておられた。死神と善吉との掛け合いが…

『天竜しぶき』都若丸劇団&恋川純弥さん(ゲスト)@京橋羅い舞座3月13日昼の部

若丸劇団では初めて観るお芝居。もっとも、似たような設定とプロットの作品は大衆演劇では何度も観ている。以下がそのあらまし。 子分の女房に横恋慕した悪い親分(城太郎)。その子分を凶状の旅に出す。女房(ひかる)を横取りするためだった。旅に出る前に…

「都若丸主催若手祭り」@羅い舞座京橋3月12日昼の部

お芝居は『月夜にさらばお鼠騒動』。 若丸座長によると、ずっと以前に大会等で出したことのある芝居だそう。構成が良く練られていたのは、若丸さんが再構成したためだと思われる。とてもよくできたお芝居だった。 よく出来ていると感心したのは、この日のゲ…

『幽霊とはらみ女と風来坊』都若丸劇団@羅い舞座京橋劇場 3月5日昼の部

今日は都紗助さんの誕生日公演だった。お芝居でも「準」主役という重要な役どころ。緊張のあまり、台詞を間違えたり、噛んだりするなんてハプニングもあったけど、それも逆にほのぼのした感じがしてチャーミングだった。いつも一生懸命な紗助さん。その真面…

『上方土産』都若丸劇団@南淡路ロイヤルホテル 2月20日昼の部

初めて観るお芝居。以下がおおまかな筋。 亭主の留守中に贔屓の役者(舞斗)を家に引き込んだ女房(ゆかり)。そこに寄合いに出かけ、一晩帰らないはずだった亭主(若丸)が、不意に帰ってくる。慌てる女房、役者を押入れに隠す。亭主をなんとか口実をつけて…

『大工の一日』都若丸劇団千秋楽@花園会館 1月26日

以前にも観ている。 ちょっと足らない大工の見習いのトメ(若丸)と、その親方の棟梁(城太郎)を軸に芝居が回る。そこに傘を借りに来たり、ネコを借りに来たり、あるいは屋根の修繕のやり直しを頼みに来たりする近所の人たちが絡む。棟梁から聞いている「断…

『二人の風来坊』都若丸劇団@花園会館 1月24日(土)昼の部

『二人の風来坊』は以前に3回観ている。配役は以下。 時雨の半二 若丸 流星のお銀 ゆかり(これは一緒) 御嶽の熊五郎親分 城太郎 柿の木長者の若旦那 剛 茶店水月姉娘 ひかる 妹娘 蘭香 あとの男性陣は熊五郎親分の子分役。東映の谷口さんも子分に参加。柿…

『波浮の港』都若丸劇団@花園会館1月20日(火)夜の部

5日前のお芝居なので、ちょっとあやふやなところがあるかもしれない。ざっくりとしたあらすじは以下。 漁師の友吉(若丸)は病気の父(芦屋小雁)、それに妹のさよ(ひかる)と波浮港に住んでいた。妹は漁師の新吉(剛)と将来を言い交わしているが、彼の博…

『千代田の嵐』都若丸劇団@花園会館 1月21日夜の部

今月の公演、毎日昼夜で出し物が替わる。この日のみ昼の部がなく、夜の部のみだった。幸いなことに、私にとっては初めてのお芝居。最近テレビでもとみに時代劇が少なくなっているようだけど、この作品はまさにその時代劇。幕が開いた途端、『鬼平犯科帳』の…

『下田港の暴れん坊』都若丸劇団@花園会館 1月18日昼の部

去年の7月にも観たお芝居。 ごく最近気づいたこと。それはお芝居の中のアドリブすら、計算されて配置されているという衝撃の事実。もちろん、多少の入れ替えはあるし、当意即妙のものもある。でもかなりの部分が計算済み。これは、ホント衝撃だった。このお…

『晴れ姿千両役者』都若丸劇団@花園会館 1月15日昼の部

以前になんども見ている。一番最近の舞台(2014年11月)では、役者紀伊国屋をアキラさんが演り、イジリの部分がちょっと違っていた。 あらましはほとんど変わらず。以前に書いていなかった面白い箇所がいくつもあった。全部は無理なので、ほんの数例。 1)…

『涙の江戸見物』都若丸劇団@花園会館 1月13日昼の部

去年三吉演芸場でも観たお芝居。そのときのレポ中にお芝居のプロットをまったく書いていなかったので、(改めて?)アップする。去年と同様、葵好太郎座長を迎えてのものだった。 岩五郎(好太郎)は腕もよく、人格者で通っている大工の棟梁。その女房のおと…

『二十年後の仇討ち』都若丸劇団@花園会館 1月11日夜の部

この京都での公演は昼夜のお芝居が替わる。もちろん、舞踊ショーも。劇団にとっては大変だろう。見る側にとっては、今まで観たことのない演目がくることが多くなり、楽しみが増えるんではあるけれど。 座長の口上によれば、これは劇団が20年ぶりにかけるお芝…

『関東嵐』都若丸劇団@花園会館 1月8日昼の部

以前に『新・関東嵐』として観て一応記事にしているが、筋を割愛しているので、以下に大まかな筋を。 ある土地の親分は今や病気で寝たきり。子分たちのほとんどが敵対する別の一家に引き抜かれ、今やたった一人残るのみ。親分の女房(ゆかり)は自分の産んだ…