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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

歌舞伎・新派劇

趣向を凝らした荒城版「お夏清十郎」——劇団荒城『迷宮』@篠原演芸場 1月10日

「狂乱」というタイトルは劇団スケジュールで分かっていたのだけれど、それが「お夏狂乱」からきているとは!芝居が始まって「お夏」、「清十郎」の名が出てきて、初めて気づいた。 「お夏精十郎」の種になっているのは、姫路で実際に起きた事件。それが歌祭…

『千代田の嵐』都若丸劇団@花園会館 1月21日夜の部

今月の公演、毎日昼夜で出し物が替わる。この日のみ昼の部がなく、夜の部のみだった。幸いなことに、私にとっては初めてのお芝居。最近テレビでもとみに時代劇が少なくなっているようだけど、この作品はまさにその時代劇。幕が開いた途端、『鬼平犯科帳』の…

『ご存知一心太助—天下の一大事—』たつみ演劇BOX @京橋羅い舞座2014年9月1日初日昼の部

中村錦之助(後の萬屋錦之助)主演の映画版を舞台版にしたもの。 築地魚河岸の名物男、一心太助。天下のご意見番、大久保彦左衛門に意見したことで、手打ちにあうどころかその心意気に惚れ込んだ彦左衛門に何かと取り立てられることになる。そのとき右腕に「…

『必殺仕事人』、LINK特別公演with 劇団九州男@羅い舞座京橋劇場8月8日夜の部

とにかく人、人、人。ただ、緊急地震警報が出ていたため、遅刻する人が多かった。ものすごい熱気。初日も8日の引き換え券を予約するのに来場、その流れで公演を見る人がいたので、470人収容という会場がほぼ満員の盛況だったが、それ以上。 脚本・演出は大川…

『度胸一番』&「TOKIO’s Live 」都若丸劇団@梅田呉服座 7月27日夜の部

お芝居は『度胸一番』。初めて観るお芝居だった。明らかに『幡随長兵衛』のもじり。「本家」のお芝居では長兵衛は町奴だけれどいわば江戸町民の代表で、片や彼を湯殿で殺す水野十郎左衛門は旗本、つまり侍の代表として描かれている。この若丸バージョンでは…

『必殺仕事人』都若丸劇団@朝日劇場6月9日昼の部

去年、京橋劇場でのLINKの公演でも同タイトルのお芝居をみた。ただし話の中身はまったく違った。こちらの方がずっと構成が緻密だった。だから、芝居の「見せ場」が計算されて提示できたのだろう。この「必殺」シリーズは「見せ場をいくつ作ってなんぼ」とい…

『三人吉三』小泉たつみ座長誕生日公演@浪速クラブ2014年5月27日夜の部

「たつみ演劇BOX」を率いる小泉たつみ座長の三十三歳の誕生日公演だった。座長の誕生日公演ということで、ものすごい混雑が予想されたので行くつもりはなかったのだが、最近になって演目が『三人吉三』と知り、どうしてもみたくなった。当日並ぶしかないだろ…

『明治一代女』たつみ演劇BOX浪速クラブ2014年5月4日昼の部

このお芝居、以前にもたつみ演劇BOXで観ている。以前観たときの配役とちがっていたのは、今日は昼の部だったから。昼・夜で配役替えがあり、昼は巳之吉と仙枝の二役をたつみさん、秀吉をダイヤさんだが、夜はそれが入れ替わっている。今日の方がインパクト大…

『上州土産百両首』都若丸劇団@新開地劇場 2011年4月20日

丁度2年前の4月に都劇団を新開地で観ました。大衆演劇を見始めてまだ1ヶ月程度の頃で、こちらも大衆演劇そのものに慣れていなかったこともあって、その場ではそんなにはインパクトを感じませんでした。芝居のタイトルを失念しています。でもお芝居がとて…

『幡随院長兵衛』三河家桃太郎劇団 四代目三河家桃太郎追悼公演DVD 

今年の2月16日の公演をDVDにしたものを、先日三河家劇団を観劇した際に買い求めました。2日間に渡る公演で、DVDも2種類いあったのだけど、もちろん春之丞さん、そして伍代孝雄さんの入っている方を迷わず選びました。春之丞さん、黒い皮コートを羽織っ…

『関の弥太っぺ』三河家桃太郎劇団@鈴なり座2010年12月1日夜の部

この劇団を観るのは初めてだったのですが、以前から観たいと思っていました。浜松のバーデンバーデンで観たつれあいがよかったといっていたのです。お芝居、さすがでした。基本をきちっと踏まえた構成、そしてなによりも座長の演技力、秀逸でした。お芝居は…

『花笠文治』伍代孝雄劇団@新開地劇場2010年10月30日

29、30日(千秋楽)と新開地の伍代孝雄劇団公演に行きました。とにかく素晴らしかった!伍代さんは今月までみる機会がなかったのですが、芝居は内容、構成、演出ともに今まで観た中で一番私の好みでした。旅芝居が「小歌舞伎」といわれた名残を最も残した劇…

『沓掛時次郎』恋川純弥座長襲名10周年誕生日公演昼の部

お芝居は『沓掛時次郎』でした。純弥さんが時次郎、二代目が時次郎に切られる男の役、桃ちゃんがその男の妻という配役でした。純弥さんが子供を見る目って、ほんとうに優しいのです。彼のお人柄がよくでているお芝居でした。 去年は誕生日公演はパスしたので…