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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『明治一代女』たつみ演劇BOX浪速クラブ2014年5月4日昼の部

このお芝居、以前にもたつみ演劇BOXで観ている。以前観たときの配役とちがっていたのは、今日は昼の部だったから。昼・夜で配役替えがあり、昼は巳之吉と仙枝の二役をたつみさん、秀吉をダイヤさんだが、夜はそれが入れ替わっている。今日の方がインパクト大な感じがしたのは、やっぱりたつみさんの出番が多かったからかもしれない。前回、ちょっと唐突な感じがしたお梅と仙枝が結ばれるシーンも、今日はあまり不自然な感じがしなかった。主役のお梅は小龍さんだった。前回よりも肩の力がぬけて、自然な感じがした。

とくによかったのは、仙枝と巳之吉との役の切り替え。仙枝の女を惹き付けずにはおかない性的魅力。それに対して巳之吉の押さえ込まれ、行き場を失ったかのような鬱屈した欲望。この二つの際立った対比。二役ということが、前回はうまく機能しているようには思えなかったのだけど、今回は一人二役が必然のように見えた。一人の人間の二面性を描いているようにも見えて、それにサディズムマゾヒズムが被さり、より複層的な人物造型になっていた。それによってお梅の悲劇とその必然性が説得力をもたされていたように思う。

 

舞踊ショーは主要なもののみ。

ダイヤ    女  「津軽海峡冬景色」つづけて、「涙の片道切符」?
紫花柄 の着物、首にスカーフを巻いて。幕開けのダイヤさんの舞踊は華やかな衣装のことが多い。 
たつみ   女   「風の盆恋歌
アッシュグレーの着物にシルバー系の帯、赤い帯締め。 団扇をもって。

たつみ・ダイヤ 相舞踊 「春夏秋冬屋形船」
ダイヤさんは薄いグレーブルーの着物。それに黒い傘をさして。たつみさんは黒グレーのきものにクリーム色帯。女物の簪。

たつみ   立ち    「桜通り十文字」
おしゃれで、セクシーで、たつみワールド全開。妄想も全開。歌詞とはあまり関係のない(?)衣装なのにこのタイトルとはぴたりと合って。キセルがまたイキ。この舞踊のファン(フェチ)が多いのももっとも。

ダイヤ   立ち     「Super Star」
黒着物にシルバー鬘で。躍動感が半端でない。

たつみ  立ち    「男酔い」 
白い着物に傘をさして。キャーッといいたくなるほどの色気。