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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

茜健草(劇団花車)さんのこと

『花舞台』で劇団花車の茜健草さんの追善公演の予告を読み、彼が亡くなられたことを初めて知りました。ショックでした。10月18日に入院先の病院でクモ膜下出血のため亡くなられたそうです。

去年9月の弁天座公演で前売券を客席に売りにこられた折、また、今年1月の朝日劇場でも前売券を販売された折、誠実なお人柄が分かりました。それ以降、舞台で彼が踊られるときも目を凝らして観ていました。踊りの振りを間違えられたときなど、「しまった」というところを出されて、ナイーブな方なのだということが伝わってきました。踊り自体も丁寧で、一生懸命さが伝わってきました。なんか心がほっこりとする踊りをされる方でした。

ネットで彼の名前で検索してブログに行き当たりました。

 

blogs.yahoo.co.jp

このブログを読ませていただき、なおさら茜さんが偲ばれました。劇場裏で一生懸命芝居に使う道具をこしらえておられたという茜さんの姿が想像できます。

無理をされていたのでしょうね。花車さんも大変な時期だったようですから。大衆演劇の役者さんたちは舞台を休むことが難しいので、調子が悪くても我慢されてしまうのでしょう。胸が痛みます。

舞台を観ているとき、「おまえは真剣に生きているのか」という問いを突きつけられることがあります。歌舞伎をみていてもそう感じたことは玉三郎丈の舞踊以外ではありません。

大衆演劇の役者さん、大変な思いをしながら毎日の舞台を真剣勝負で闘っておられるのが、ひしひしと伝わってきます。観ていると、ときどき苦しくなることもあるます。「神がかり」といいますが、本当に役者さんたちは「神さま」のような存在です。いやここはメタファーで行きましょう。役者は神です。

古代から人類の歴史上、演劇のなかった、踊りのなかった文化はありません。演者、踊り手は常に憑依した神の役割をしてきたのでしょう。

だから茜さんは本来の場に還られたのだと思います。