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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『博多明太子』?下町かぶき組劇団悠 @豊中リゾートプラザ

「下町かぶき組」は松井誠さんがプロデュースする劇団群だというのは、演劇グラフ等の情報で知っていました。昨日書店で『正論』を立ち読みして(スミマセン)、そのなかの記事に彼の来歴が掲載されていました。とても心を打つ記事でした。

というわけで、かねてから気になっていた「下町かぶき組」の公演、しかも松井誠さんのご長男が座長の劇団ということで、今日の昼の部に豊中劇場にお邪魔しました。

若手男性陣が座長を入れて五人、それに年嵩の男性が一人、そこに三人の若手女優人(全員とびきりの美人でした)。名前が今もって分かりませんので、間違っていたらごめんなさい。

座長は和悠斗さん、お父様似の面長顔で、イケメンというより、きれいな男の子(失礼!)という感じの方です。比較的小柄なので、女形が抜群に似合っています。座員は特に若手が多いのに驚きました。この座員さんたちは誠座長が演劇塾で育成された方々なんでしょうか。とても粒がそろっていました。特に高橋茂紀さんというかた、小演劇の俳優さんを思わせる方でした。芝居途中で「大学院中退」という紹介がありましたので、今ネットでしらべたところなんと「群馬大学大学院工学研究科(生物化学工学)中退」という経歴の方だったのです。道理で、どこか知的(?)な匂いを漂わせていらっしゃいました。

お芝居は真芸座の片岡梅之助、哀川昇さん合同での去年11月鈴成座公演で観た『博多明太子』とそっくりでした。梅之助さんの「中風もちの亭主」役はあまりにもその舞い姿とのギャップが大きく、それで笑いも倍増ですが、悠斗さんはいくら変メイクでもやっぱりおきれいで、そのぶんコミカル度が少なめでした。高橋茂紀さんのドロボウも、とてもお上手だったのですが、哀川昇さんの徹底したメーキャップやずっこけ振りと比べるとインパクトは多少薄めでした。でも充分に面白かったです。その点でもやっぱり高橋さんには小劇場の知的さが残っていました。

舞踊で注目したのはやっぱり座長の女形でした。一番良かったのは「鶴の恩返し」です。鶴の手振り、とても迫力がありました。その次によかったのが、ウェディングドレスでの舞踊でした。これにはぶったまげました!こんなのを観たのは初めてです。とてもかわいくて、本当の花嫁のようでした。