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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『男の立引き』英樹さんお誕生日公演 都若丸劇団@明生座11月2日 夜の部

英樹さんのお誕生日ということで、お芝居も主役を。このお芝居、初見。

いろいろな題材をコラージしたお芝居だった。以下、あらすじ。

 傘張りをして糊口をしのいでいる岡島(英樹)。もとはさる藩の藩士だったが、藩主の宝、名剣「むかで丸」を何者かに盗み出された咎で今は浪人に姿を変え、刀探索をしている。

 

そこに山田一平という侍(若丸)が来訪。ここで客席から笑いが(この名前、東映の山田さんのパクリ)。若丸さん、紋付袴の正装だったけど、口にちょび髭をたくわえてなんかヘン。この山田某、もとは岡島の同僚だった自身の上司、黒田が「岡島を料亭に招待、一席もうけたいといっている」との伝言を持ってやって来たのだ。それは実は黒田の悪巧み。尾羽うち枯らした岡島のサマを嗤ってやろうという黒田の魂胆だった。着て行く着物がないと一旦は断った岡島。しかし下男の市助(星矢)が行くように勧めるので、承諾する。帰り際に山田はさらに念を押す。曰く、「正装、それに同伴で」と。

 

場は変わって料亭。黒田(剛)を始めずらりとならんだ黒田の部下たち。ここからが若丸さんの独断場。笑いの十連発が炸裂。まず、部下たちの名を聞かれて、二平、三平、四平、五平(順に山田、虎徹、あきら、松永)!なんと兄弟で、歳の順に!並んでいるとのこと。笑えた。本家の山田さんが二平。

 

板前の舞斗さんさっそうと登場。ここ、『伊勢音頭』の喜助を思わせました。「さっそう」ノはずが、案の定?噛んでしまう舞斗氏。板前が岡島の肩を持つので、一座は面白くない。岡島は必ずや女性を伴って現れると請け合う板前。その板前に、一平は岡島がやってこなければ腹を切れと息巻く。受けて立つ板前。返して、もし岡島がやって来たら、どうするのかと山田に問う。誤摩化しつつも、「自身も武士の端くれ。腹を切る。切りながら都々逸を謳ってやる」との言質を与える山田。

 

岡島が芸者の千代菊(ゆかり)を伴って現れる。慌てる山田。でも仕方なく腹を切る真似をする。

その後を省略しますが、(突如現れた)濡髪長五郎!が黒田一味の企みを暴き、黒田が腰にさしている剣こそが「むかで丸」だと明かし(黒田が宝刀を盗み出した張本人)、岡島は汚名を注ぐことができるという大団円で幕。ね、歌舞伎十八番の「宝刀が絡むお家騒動もの」でしょ?