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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『男の誓い』都若丸劇団@明生座 11月4日夜の部

『男の誓い』は以前に何回か観て記事にしている。

今日の配役は盲目の侍は剛さん。その妻をはるかさん。悪い親分をキャプテン。そして源太はもちろん若丸さんだった。これが普段の配役のようだけど、私は侍を星矢さんでも観ている。それぞれ少し味わいが違った。

ハイライトの場面は二カ所あって、その長短もその時々で少し異なっている。ハイライト一つ目は源太が親分から小判をせしめる場面。もう一つは、「侍とその息子を『殺した』場面」を源太が親分一家で再現してみせるもの。今日は後の方がより長く演じられていた。若丸座長、汗だく。「ものまね」のソースのいくつかが前回のもと違っていた。残念ながら、最後のものが分からなかったけど。笑いにつぐ笑いで、お客さん大喜び。こういう造型の仕方がホントに上手い。

ラスト舞踊の「じょんがら女節」は何度みても泣ける。感傷的な曲でないし、舞踊も太棹の津軽三味線の威力を最大限生かしたこの曲に見合った躍動的なもの。だけどなにか泣けてしまうんですよね。この切れの潔さに。そしてその潔さに秘められた哀しみに。舞踊はそこを最大限に具現化したもので、これで感動しなけりゃ、日本人じゃないでしょ。若丸さん、最後のステップでそれをマックスで示された。それでハプニングが起きたのだけど、その場に立ち会えたことは僥倖だった。なんの「手助け」もできず、申し訳なかったけど。

そういう感情を吹き飛ばしてくれたのがアンコールの「よっしゃあ漢唄」だった。総立ちでノリノリ。身体中の血液が濾過され、力を注入された気がした。