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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

四回目の『泥棒道中』 in「若丸祭り」都若丸劇団@新開地劇場4月24日昼の部

ものすごい人で、二階席も一杯だったよう。私は20分前に着いたのだが、補助席のみ。でも新開地劇場の補助席は楽で、問題なし。昨日とは打って変って、にぎやかだった。300人以上だったよう。不完全燃焼だった昨日を補ってあまりある充実した舞台だった!多くの観客が私と同じ思いだったのでは。観客は正直ですよね。そしてそれが如実に動員数に出ますよね。

 念のために断っておくと、昨日の芝居は若丸さんのパートは素晴らしい出来だった。長谷川伸の原作『刺青奇偶』(長谷川伸全集第16巻収録)を今日神戸市中央図書館から借り出して読んだが、とてもよく出来た芝居。半太郎の台詞の分量に圧倒された。ほとんど原作のホン通りに若丸さんは演じられたのが分かった。ただ、やっぱり現代の舞台にそのまま乗せるにはちょっと無理があるかと思う。それを若丸式ではかなりさっぱりとした感じに変えていた。そこが相手役の三河家諒さんとは対照的だった。原作を読む限り、お仲はもっと「さわやかに」演じるのが、彼女の人となりをよく表せると思う。『一本刀土俵入』のお蔦ほど気が強い訳でもないし、あれほど世を拗ねている訳ではない。もっと素直な女として描かれていた。その素直さを出すのがいちばん難しいのかもしれない。

 今日のお芝居は『泥棒道中』。これで四回目。細部が変えられているので、いつみても新鮮。楽しかった!若丸さん、いつもよりハジケておられた。もっともこのお芝居のときはいつもそうなんだけど、今日はエネルギーレベルがより高かったような。