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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『金也の真心』都若丸劇団@羅い舞座堺東 3月22日昼の部

お芝居の『金也の真心』はみたことのないお芝居でした。都若丸劇団のHPには、ひかるさんが翌日の演目の外題をアップされているので、助かります。この劇団さんのHPは、必要な情報が網羅されているとてもよくできたものです。大衆演劇の劇団でここまで親切・丁寧な解説はあまりありません。

堺東は遠いのでなかなか足が向かず、これが初めてでした。やっぱり遠かった!でも行った甲斐は予想以上ありました。ありすぎるほどでした。楽しくて、帰りの道中は晴れ晴れした気分でした。

若丸さん十八番の人情喜劇で、人の心の機微をうまく受肉化していました。上方が舞台なので、若丸さんはお手のもの。上方言葉を駆使し、加えて絶妙の間の取り方。ただただお見事!剛さんが、ときおり座長を困らせるほどの好敵手で、こちらもお見事。若丸さんが演じるのは大店の番頭、そこの主人がお父様の城太郎さん、その息子の若主人が剛さんという配役でした。以下があらすじです。

大店のぼんぼんの剛さんが芸者遊びの席で芸者に惚れ込み、夫婦約束をしてしまう。父親に話しづらいので、番頭に仲介を頼む。番頭からその話を訊いた主人は、てっきり息子が芸者に誑かされているのだと思い込む。そこで一計を案じて、乞食に化けて、芸者宅を訪ね、店が傾き、自分も追い出されたと大嘘をつく。信じた優しい芸者は、それなら彼女の置屋に住めばいいと、いってくれる。それで芸者の真心を知った主人。そこへ若主人がやってきたので、主人は企みを告白ざるを得ない。それを赦す芸者。すべてまるく収まるはずだが、一人番頭のみ、割を喰ってしまう。

いつものように「抱腹絶倒」はありませんでしたが、それでも上品な色気を含む笑いがそこかしこにあって、飽きることがなかった。

 

舞踊ショーのハイライトは座長の女形でした。でも曲名を忘れました。ほんとうにお綺麗で、「これが先ほど面白メークをしていた番頭?」ってなにか不思議でした。座長、立ちも良かった。曲は「偽りの花園」でした。

また、本振袖を着流しで着て「立ち」の姿で「ひらり」をおどる剛さんは、ぞくぞくするほどの「危ない」色気がありました。

座長とゆかりさんの相舞踊「もしかして」も二人の呼吸がぴったりと合って、そのみごとな喜劇ぶりもオカシカッタ!見ている側もノリノリでした。