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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『駒吉帰り仁義』里美たかし座長「劇団美山」@池田呉服座2月22日昼の部

翌日(23日)に座長たかしさんが浪速クラブでの「美川慶二座長襲名公演」に出られるため、この日は昼の部のみ出演でした。主演はこうたさんで、昼に座長が演じた悪い代貸しの為蔵を夜の部では祐樹さんが演じられるということでした。筋は以下です。

仏一家は主の親分はすでに亡く、今ではその妻の姐さん(美山愛)が仕切っているが、身体が弱いため思うようになっていない。仏一家に対立するヤクザの親分の肉丸(祐樹)がそこにつけ込み、いろいろ難癖をつけてきている。さらに問題なのは仏一家の代貸しの為蔵が子分たちを自分側につけ、一家の乗っ取りを謀っている。三下の駒吉(こうた)だけが例外である。

 

一家のお嬢さん(エクボ)が肉丸の手下に絡まれているところを、旅人、流与三郎(京馬)が助ける。与三郎は仏一家に世話になることになるが、そこへ肉丸一家から果たし状が届く。駒吉はそれを引き受け、助っ人を申し出た与三郎とともに相手方に向かう。為蔵の予想に反し、駒吉は肉丸の首を取って返ってくる。

 

ほとぼりがさめるまで、駒吉は旅に出ることになる。姐さんは駒吉に一家を継がせることを宣言する。為蔵はその場で一応は承諾した振りをする。駒吉は与三郎に姐さん、お嬢さん、そして一家を託して旅にでる。

 

駒吉の留守の間、駒吉の女房(みか)と通じていた為蔵は一家を乗っ取ってしまう。与三郎は駒吉との約束があるので一家に残っているが、ひどいいじめにあっている。姐さんもお嬢さんも女中扱いをされている。

 

その堪忍が限度を超えたころ、やっと駒吉が帰ってくる。為蔵、自分の女房で今は為蔵の愛人になっている元妻、そして一家の者を成敗する。与三郎をねぎらい、お嬢さんと相思相愛の仲になっている彼に一家を譲って、自分は再び旅に出る。

 

大衆演劇によくあるパターンのいくつかを組み合わせたものでした。夜の部にいないということで、残った人たちが演りやすい形の芝居に座長が組み立て直したのではないでしょうか。その分、いくぶんか「薄め」の感じがしましたが、これはこれで思い入れなしに観れて、良かったです。大衆演劇定番芝居(九州系)の濃さが苦手な私には特にそうでした。

最も光っておられたのは姐さん役の愛さんでした。ほんとうに上手かった!商業演劇の舞台女優顔負けの演技力!そして艶!感銘を受けました。 

夜は座長のいうところの「シルバー組」オールキャスト版になるということでした。間違いなく面白いお芝居になったことでしょう。どちらかというとそちらを観たかったのですが、この日は午後4時から勤務先でミーティング、食事会があったため、夜の部は観れませんでした。次のチャンスがあればと願っています。