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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『次郎長』春の演劇祭 都若丸劇団@京橋羅い舞座 3月19日

お芝居は『次郎長』。2008年4月9日に特別公演として新開地劇場に上げられたもののリメイク。ただキャストには入れ替わりがあった。以下。

清水次郎長: 都若丸

お蝶: 九蝶香おり

次郎吉: 紀伊国屋章太郎

法印大五郎:  山田永二

黒鐘一家親分 権兵衛: 都城太郎

用心棒: 都剛

玉屋の玉吉:  都星矢

白斎:  松永吉訓

森の石松:小泉ダイヤ

桶谷の鬼吉: 黒潮幸次郎

 

九蝶香おりさん、小泉ダイヤさん、黒潮幸次郎、紀伊国屋章太郎さん以外のゲスト、恋川純弥さん、葵好太郎さん、澤村かずまさんの役名が分からない(分かった段階で再度上げます)。ただ、皆さん次郎長一家のメンバーばかりだった。私が「次郎長譚」そのものにあまり知悉していないこともあり、大衆演劇では定番芝居の登場人物が分からないんです(スミマセン)。

今回は「客演」が他劇団の座長ばかりで、若丸さんはさぞ気を使ったでしょうね。若丸さんの次郎長は6年前と比べてパワーはまったく落ちていなかった。ただ、あのハチャメチャな乱暴ぶりは幾分か抑えて演じられていた。将来の「大親分」を予測させるためだろう。こういう「計算」をするのも、恐らく彼が良い意味で経験を積んできたからだろう。 

プロット、ストーリー自体は2008年版を踏襲していたのだけれど、違ったのは芦屋小雁さんがいなかったこと。けっこうこれが大きかった。東映の山田さんもがんばっていたのだけれど(私は彼のファンです)、やっぱり小雁さんの「ナマクササ」ぶりが脳裏に残っているので、物足らなさを感じてしまった。

それと、各座長に「花を持たせる」ために、かなりムリをした箇所が合ったのではないかと感じた。2008年度版のようなある種の自由さ、「天衣無縫さ」が減じているように思った。完成度の点からは今回の方が上だろうけど、2008年版のあの「いったい次に何が出てくるの」感が減っていた。もちろん、それは私がDVDで何度も『次郎長』を観て、比較してしまうからだろう。初めて見たお客さんたちは間違いなく感動したと思う。

 

城太郎さんのワル親分、章太郎さんの次郎吉が全体を締めていた。さすが経歴のある大夫元!

 

東映のメンバーは多少の入れ替わりはあったものの、主要なところはそのままで、これは感動的だった!ホント、この役者さんたち、スキ!なにかとても生々しい芝居に立ち会った気がした。それは一重に彼らに負っている。

 

殺陣のシーンは圧巻だった。各座長たちも目イッッパイ、嬉々として演じていた。こういう激しい動きは観ているものも巻き込んでしまうんですよね。観客席がいつもより以上に興奮していた!