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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

『頑固親子かける架け橋』都若丸劇団@博多新劇座 11月7日昼の部

このお芝居は初めて。あらすじは以下。

向かい合わせに住んでいる大工の親子。その父、伝助(キャプテン)と息子、友吉(座長)は犬猿の仲である。なにかと言い争い、互いに一歩もひかない。伝助の下の大工たち(ゆかり、虎徹)、友吉の下の大工たち(星矢、舞斗)も親方についていて、ことある毎に諍いが絶えない。そこに奉行所から呼び出しがかかる。奉行所で奉行(剛)から大水で流された橋の修復工事をしてもらいたい、ついては父子で組んでやってほしいといのこと。報償として百両払うという。しかし、呼び出された二人は奉行の前でも言い争いを初める始末、奉行始め役人達も呆れてしまう。

 

伝助の方は橋の土台部をなんとか仕上げる。ただ、材木が底をつき、それから上の工事が出来ないでいる。友吉の方はそれを高みの見物で、こっそりと材木を蓄えている。二進も三進も行かなくなれば、伝助が折れてくるだろうと踏んでいるのだ。伝助は伝助で、友吉がやがてしびれをきらして謝ってくるだろうと踏んでいる。

 

そこにまたもや大雨。せっかく築いた橋桁が大水に流されると聞いた伝助。危険を顧みずになんとかそれを食い止めようと川に飛び込む。それを見て伝助下の大工達が友吉に知らせに行く。友吉は父が危険に曝されていることを知り、その場に駆けつける。他の大工たちに橋が流されないよう手当することを頼み、自分は川に飛びこんで父親を助け出す。

 

無事に助け出された伝助は息子に礼を云う。そして自分が妻と息子を忙しさにかまけて放置してしまった結果、友吉に背かれたことを認め、謝罪する。それを聴いた友吉、自分自身も母の死をきっかけに父に頑になっていたことを謝る。互いに今までの自分から変ることを約束し合う。

 

ここで、俺でも親と呼んでくれるか」、「倅と呼んでくれるか」という、大衆演劇ならではの山あげがあった。でも他劇団ほどのしつこさはなかった。九州系劇団はこれをナガーク伸ばすんですよね。

 

橋はめでたく完成。再び奉行に呼び出された二人。百両をもらう。伝助はそれは友吉のものだと主張する。奉行から百両貰い受けた友吉。それをそっくり大水で被害にあった人たちに寄付するという。この橋を親子仲直りの記念に、そして人と繋がりを示すものとして、「つれづれ橋」と名付けようという。「親子つれづあるいてゆこう」という台詞で幕。