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大衆演劇のお芝居ってどんなの?(独断・私見の)大衆演劇観劇ガイド

都若丸劇団

『三下剣法』都若丸劇団@梅田呉服座 7月15日昼の部

昼でトリプルの大入り。満員。補助席も満席。 お芝居は『三下剣法』で、4回目になるのに、このブログ記事にしたのはずっと以前の一回のみ。それもあらすじを書いていなかった。というわけで、おおまかな筋を以下に残しておく。固有名詞は控えていなかったの…

『俺たちゃ渡り鳥だよ』都若丸劇団@梅田呉服座2014年7月4日夜の部

新開地劇場でもみた喜劇だった。話の大筋はそのときのままだけれど、そこは若丸さん、細部が微妙に替えられていた。 旅人二人(若丸・剛)が「相部屋」になって、これから休もうという時に、前に観た折には『泥棒道中』を思わせる「予感」があって、「お芝居…

『親子草紙』都若丸劇団@朝日劇場 6月27日昼の部

初見のお芝居だった。九州系劇団で生き別れた親子の悲劇を描く「親子もの」をいやというほど観てきたので、この手の話には食傷気味。これも悲劇は悲劇だったけど、べったりしたお涙頂戴路線とは違っていた。観客の涙腺に訴える芝居は演じる側にはやり易いん…

『風来坊と巾着切り』都若丸劇団 6月25日夜の部

初見のお芝居。大衆演劇によくある「悪い親分を懲らしめる」パターンの完全なパロディ。ホント、よくできていた。要約すると、「茶店の老主人(剛)とその娘を助けるために、ヤクザ一家に乗り込んだ時雨の半二(若丸)の助っ人顛末記」ということになるだろ…

『日本おかしばなし』in「若ちゃんまつり」都若丸劇団@朝日劇場 6月24日夜の部

「若ちゃんまつり」と銘打っての公演。ものすごい人の数。通路はもちろん最前列席の前にも、さらには入り口をつぶしての座席がしつらえてあった。「マジメなお芝居を期待する人は遠慮してください」と若丸さんから事前にアナウンスがあった。そうなると大阪…

『姿なき仇討ち』都若丸劇団@朝日劇場 6月13日昼の部

今日は豪華なゲストが勢揃いした。劇団舞姫葵好太郎座長、劇団九州男大川良太郎座長、それにたつみ演劇BOXから嵐山瞳太郎さんと三人のゲスト。 朝日劇場に到着して驚いた。ものすごい人。休憩時間にさらに驚いた。入り口をつぶしての見物の人がけっこういた…

『必殺仕事人』都若丸劇団@朝日劇場6月9日昼の部

去年、京橋劇場でのLINKの公演でも同タイトルのお芝居をみた。ただし話の中身はまったく違った。こちらの方がずっと構成が緻密だった。だから、芝居の「見せ場」が計算されて提示できたのだろう。この「必殺」シリーズは「見せ場をいくつ作ってなんぼ」とい…

『夜明け笠』都若丸劇団@朝日劇場6月1日

5年ぶりの朝日劇場だそう。私はまだ5年前には大衆演劇を見ていなかったので、朝日に乗った都若丸劇団を知らない。けっこう若丸さんのお芝居を見てきたけれど、このお芝居は初めて。全体の枠組みはヤクザ間の「抗争」を描く昔ながらのお芝居の体裁はしている…

『恩愛夫婦旅笠』都若丸劇団@ぎふ葵劇場 5月26日昼の部

以前に明生座で観たお芝居で、このブログ記事にもしている。他劇団でもみたことがあるが、劇団によって強調するところが違っていた。若丸ヴァージョンは、年かさの夫婦の夫(若丸)がいかに妻を赦すかというところに重点がおかれている。この夫の演技力に芝…

『人情深川流し』都若丸劇団@ぎふ葵劇場 5月13日

この演目は観たことがない。昼は若丸座長が、ひき逃げで亡くなった友人のお見送りに京都に出かけていて、帰りが開演ギリギリ。そこで、主要な役の一つをキャプテンが務めた。 義理の息子にちょっとしたたはずみで殺される父(カネの亡者という設定)の役である…

『道で拾った花嫁』都若丸劇団@新開地劇場 4月28日昼の部

先月3月に羅い舞座京橋劇場でも観たお芝居。配役は以下。 医者になって長崎から帰ってきた清之助を星矢さん。その父の庄屋を剛さん。茶店の主人を城太郎さん。星矢の元許嫁のお袖を京香さん。その妹お花をゆき香さん。清之助が江戸で見染めた芸者お龍をひか…

四回目の『泥棒道中』 in「若丸祭り」都若丸劇団@新開地劇場4月24日昼の部

ものすごい人で、二階席も一杯だったよう。私は20分前に着いたのだが、補助席のみ。でも新開地劇場の補助席は楽で、問題なし。昨日とは打って変って、にぎやかだった。300人以上だったよう。不完全燃焼だった昨日を補ってあまりある充実した舞台だった!多く…

『芸者の誠』都若丸劇団@新開地劇場4月21日昼の部

このお芝居は都若丸劇団では初見。他劇団では観たことがある。ただ、若丸バージョンに大幅書き替えられていた。抱腹絶倒喜劇である点では他劇団と同じ。ただ、若丸バージョンの方がリーズニングがかっちりしていた。以下に大まかな筋を。 三人の不良浪人(剛…

『春雨傘』都若丸劇団@新開地劇場 4月19日夜の部

先月、羅い舞座京橋でも観たお芝居だった。他劇団でも観たことがある「嫁いびりの姑が改悛する」話。ところが、若丸劇団はそれらとは微妙に違っていた。今までみてきたどの劇団でも、主人公の姑を演じるのは座長。もちろんこの公演でも若丸座長が姑。以下が…

『明日に翔る龍』都若丸座長誕生日公演@新開地劇場4月9日昼の部

若丸座長34歳の誕生日公演。お芝居、『明日に翔る龍』は圧巻だった。龍馬役はもちろん本日の主人公の若丸座長。脚本・演出も若丸座長。龍馬暗殺に至る「悲劇」を描いているのだが、あくまでも深刻にならず、未来の日本への強い期待と希望が語られる内容だっ…

『BLADE 復讐の剣鬼』第五回都若丸誕生日特別公演DVD版

昨日都若丸劇団公演に行った折に入手した。今年の4月9日の新開地劇場における若丸座長誕生日公演を録画したものである。脚本・演出・主演は若丸座長である。 さっそく観て、着想、構成、配役の見事さに舌を巻いた。もちろんすべて若丸さんの手による。「LINK…

『日朝河原の決闘』都若丸劇団@新開地劇場 4月1日初日

本拠地の新開地での1年ぶりの公演。私にとっても(1月の恋川純さんの公演に若丸さんが「飛び入り」出演したのを観たのを除けば)1年ぶりの新開地劇場。15分前に着いたら、もう満員。補助席だった。新開地の補助席は普通の椅子を出してくれるので、とても見…

『次郎長』春の演劇祭 都若丸劇団@京橋羅い舞座 3月19日

お芝居は『次郎長』。2008年4月9日に特別公演として新開地劇場に上げられたもののリメイク。ただキャストには入れ替わりがあった。以下。 清水次郎長: 都若丸 お蝶: 九蝶香おり 次郎吉: 紀伊国屋章太郎 法印大五郎: 山田永二 黒鐘一家親分 権兵衛: 都城太郎 …

『しじみ売りと八兵衛』都若丸劇団@羅い舞座京橋 3月3日昼の部

私には(めずらしく)初見のお芝居。 若丸さんの芝居は構成が緻密。大衆演劇によくある「えっ?」と戸惑うことがまったくない。リーズニングがきちっとできているので、無理なく楽しめる。 土地のヤクザ一家の親分は人望が篤かった。というのも人助けに骨身…

『地蔵の宇之吉』都若丸劇団@湯迫温泉 1月9日

またまたやってきました湯迫温泉。霙がちらつく寒い日だった。 お芝居は『地蔵の宇之吉』。若丸さんで宇之吉を観るのは初めて。そういえば大衆演劇はよくかかるこのお芝居も、観るのは二回目。若丸さんが宇之吉、剛さんが小金井小次郎役だった。有名な筋で、…

『次郎長』都若丸劇団第弐回特別公演@新開地劇場 2008年4月9日収録DVD

まず、2008年時点で若丸さんがここまでのものを創り上げておられたということに、驚嘆した。大衆演劇でここまでの完成度の高い芝居を観たことがない。否、商業演劇でもない。おそらく強い信念をもって、とてつもなく桁外れの構想を、実行に移したというべき…

『頑固親子かける架け橋』都若丸劇団@博多新劇座 11月7日昼の部

このお芝居は初めて。あらすじは以下。 向かい合わせに住んでいる大工の親子。その父、伝助(キャプテン)と息子、友吉(座長)は犬猿の仲である。なにかと言い争い、互いに一歩もひかない。伝助の下の大工たち(ゆかり、虎徹)、友吉の下の大工たち(星矢、…

『瞼に母』都若丸劇団@博多新劇座 11月6日昼の部

このお芝居、三回目だった。いつもおなかを抱えて笑ってしまう。絶妙の間の取り方。アドリブ部分がその都度少しづつ変わるので、飽きない。以下が大まかな筋。 おこも稼業の五郎やん(座長)が、ちょっとした行き違いから大店の旦那(キャプテン)に昔捨てて…

『二人の風来坊』都剛劇団@羅い舞座御所 9月26日昼の部

若丸座長が9月一ヶ月不在。その間は剛副座長が座長、星矢花形が副座長、そして舞斗さんが花形に「昇格」。ということで、お芝居の内容は以前にみたときとほぼ同じでも、配役を変えての舞台だった。楽しかった。大まかな筋は以下。 御嶽の親分(キャプテン)…

『泥棒道中』都若丸劇団千秋楽公演@新開地劇場 4月29日

お芝居は『泥棒道中』だった。去年も観ているし、超満員だろうと予想してはいたけれど出かけた。案の定、開演40分前にすでに長蛇の列、二階席になった。とはいうものの、歌舞伎の劇場に比べたら、二階席といえども舞台が近い。オペラグラスも必要ない。 楽し…

『金也の真心』都若丸劇団@羅い舞座堺東 3月22日昼の部

お芝居の『金也の真心』はみたことのないお芝居でした。都若丸劇団のHPには、ひかるさんが翌日の演目の外題をアップされているので、助かります。この劇団さんのHPは、必要な情報が網羅されているとてもよくできたものです。大衆演劇の劇団でここまで親切・…

『裸千両』都若丸劇団@明生座9月1日夜の部

お芝居は『裸千両』でした。このお芝居は初めて。以下の大筋を。 母のおしげ(ゆかり)と妹お徳(ゆきか)とが営んでいる渡し場近くの茶店にやってきた遊び人の烏の官三郎(座長)、母が盲目なのをいいことに、今は堅気の商売で成功していると嘘をつく。[こ…

『俺たちゃ渡り鳥だよ』都若丸劇団@新開地劇場4月15日昼の部

お芝居は『俺たちゃ渡り鳥だよ』。みたことのないお芝居でした。題名から任侠ものを想像するでしょうが、任侠ものにつきものの「敵討ち」の要素は極力ひかえられ、抱腹絶倒の喜劇でした。筋は他愛ないほど単純でした。 旅をかけている途中にたまたま出逢った…

『男の誓い』 都若丸劇団@明生座 11月14日夜

勤務先で会議が長引いたため、ミニショーは見損ね、その上お芝居も最初の10分程度遅れてしまいました。 このお芝居は他劇団(九州系)でも観たことがあります。ただし、完全に若丸バージョンに替えられていました!以前にみたお芝居とは重点の置き方がまった…

『三下剣法』in 都若丸劇団@明生座 11月3日昼の部

こういう三枚目の「できそこない」を演じたら、若丸さんの右にでる役者はいないと思います。それがどれほどのレベルかは、実際に観ていただかなくては分かっていただけないでしょう。喜劇の肝は「間」の取り方ですが(もちろん悲劇でもそうですが、喜劇の場…